「常に頭を使うサッカー」に衝撃 元日本代表DFが名将オシム氏に感じた“主流の先取り”

イビチャ・オシム氏【写真:Getty Images】
イビチャ・オシム氏【写真:Getty Images】

2006年8月のオシムジャパン初陣でA代表デビューした栗原勇蔵氏が当時を回想

 元日本代表監督のイビチャ・オシム氏は、5月1日に80歳で亡くなったとかつて指揮を執ったオーストリア1部シュトゥルム・グラーツから発表された。日本代表の初選出・初出場をオシム氏の元で経験した元日本代表DF栗原勇蔵氏も、「日本のサッカー観を変えた方」とその功績を振り返っている。

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 オシム氏は2003~06年にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)、06~07年に日本代表を率い、日本に“考えて走るサッカー”を浸透させた名将。元日本代表MF阿部勇樹氏(現浦和レッズ・ユースコーチ)、元巻誠一郎氏、元日本代表MF水野晃樹(はやぶさイレブン)、元日本代表MF佐藤勇人氏(現千葉クラブユナイテッドオフィサー)らの成長を促した。その後、2007年11月に急性脳梗塞で倒れ、続投が困難となり、岡田武史氏に後任を託す形となった。

 今回、1994~2002年に指揮を執ったオーストリア1部シュトゥルム・グラーツが5月1日、オシム氏が5月6日の81歳の誕生日を前に自宅のあるオーストリア・グラーツで亡くなったことを伝え、日本サッカー界も悲しみに暮れている。

 そのなかで、オシムジャパンの初陣となった2006年8月9日に行われたキリンチャレンジカップのトリニダード・トバゴ代表戦(2-0)でA代表デビューを飾った栗原氏は、「初選出してもらい、初キャップをつけてもらった監督がオシムさん。全然違うなと感じました」とプロ5年目だった当時を振り返る。

「いろんな練習をしてきたなかでも、身体だけでなく、常に頭を動かすメニューは当時、衝撃的でした。個人的に多くを話したわけではないですけど、自分のキャリアの中ではとても大きな出来事で、代表のレベルのモノサシを得ることができたし、その後の目標もできました。いい意味でみんな平等。いくらいい選手でもやらなきゃ試合に出してもらえない印象はありました。流動的なサッカーは、今の主流を先取りするような感じ。(2005年に)ナビスコカップ優勝を果たすなどジェフを強くしたし、そこから巣立っていった選手は多くて、一時代を築いたと思います」

 栗原氏は最後に、「日本のサッカー観を変えた方。世界のサッカー発展に貢献された方だし、いろんなものを残してくださった」と、その功績に感謝の言葉を述べていた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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