【ACL帯同記2022】ベトナム入り後に“緊急事態”!? スコールで道路冠水、トレーニング時間変更…横浜FMスタッフの“ドタバタ劇”

いざ初戦! ホアンアイン・ザライFC戦
4月16日、2年ぶりにF・マリノスのACL初戦の日がやってきました。午前中は部屋でパソコン作業を行いましたが、内心はソワソワであまり仕事は進まず(笑)。SNSを見ると、この日を多くのファン・サポーターの方々が待ち侘びていてくださったのだなと感謝の気持ちでいっぱいに。現地時間18:00キックオフの試合ですが、いつもと変わらないセッティングのために緒方くん率いる先発隊は昼にはスタジアムへ。経験のないスタジアムでも、いつも通りの環境を整えるプロフェッショナルな仕事には毎回感銘を受けます。

キックオフの1時間半前にチームバスで選手たちとともにスタジアム入りをする私は、出発までの時間をレギュレーション確認やスタジアム入り後のスケジュール確認に使います。後はストレッチしたり髪を整えたり……(笑)。
そして出発前で最も重要な仕事が、メンバーリストの提出です。記載ミスがないように出発直前まで確認をし、ケヴィン・マスカット監督にサインをもらってWhatsAppでマッチコミッショナーへ提出します。自分のサインを書くのですが、心がけていることは漢字で書くということ。ただのおまじないみたいなものですが、いつものJリーグと変わらないように、そして日本チームとしての誇りという意味を込めて、敢えて漢字で書いています。
ちなみに監督からは「I trust you」ということでリストを見せた後にすぐにサインをもらいました。信頼してくれて嬉しかったですが、間違いがないか、もう一度確認しました(笑)。

ホテルを無事に出発したチームは定刻にスタジアム入り。選手・スタッフの全員が各々の準備や仕事を行います。私もメンバーリスト原本の提出やエキップメントチェックなどの仕事を淡々と行い、いざウォーミングアップへ。そこには日本から来てくれた、そして現地の多くのファン・サポーターの姿が。そしてこの試合の特筆事項としては、何と言っても発声を伴う応援がOKとなっていたことです。久しぶりにチャントを聞くと、心が揺さぶられました。選手も同じ気持ちであったと思います。

18時、F・マリノスに関わるすべての人たちと戦うACLがキックオフしました。初戦の相手であるホアンアイン・ザライFCは地元ベトナムのクラブということで、セントラル開催ではあるものの完全アウェーの中での戦いです。
久しぶりに地響きのような歓声を受けたなかでしたが、前半の早い時間に2点を奪い、1点返されるものの見事に逃げ切って勝利を収めました。普段のリーグ戦ではあまり見られないくらいに足をつる選手が出てくるなど難しい試合となりましたが、異国の地で初戦をモノにしたことは非常に嬉しかったです。
そして、試合後にF・マリノスサポーターに挨拶をしに行く時に、監督とキャプテンの喜田拓也選手から、「一周回って挨拶しましょう」と提案が。普段のリーグ戦ですとセキュリティー面を考慮してホーム側へ挨拶に行くことはありませんが、今回はACLということで一周回ったところ、スタジアム中からスタンディングオベーションが。
この光景には本当に感動しました。90分の試合の中ではぶつかり合いますが、試合が終われば互いの健闘を称えるというスポーツのあるべき姿とも言える景色には鳥肌が立ちました。素晴らしい雰囲気のなか、充実感に満ちた選手・スタッフとともに後片付けをして、スタジアムを後にしました。