高卒ルーキー・古川陽介が見た松木玖生 「格上」の存在でも“己のカラー”に自負「僕には武器がある」
「ずっとスタメンで出ていて凄い」 FC東京の松木は「自分より上の存在」
昨夏の高校総体・準決勝で、静岡学園は青森山田に0-4と完敗。“こてんぱん”にされた相手へのリベンジを期して選手権に臨んだものの、その思いは叶わずに終わった。逆に、総体に加えてこの選手権も制した青森山田では、5試合4得点をマークした松木が、古川と双璧を成すように特大なインパクトを放った。
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そんな松木もまた、選手権前にプロ入りが内定。高校卒業後はFC東京でのキャリアを歩み、昨季J1王者・川崎フロンターレとのリーグ開幕戦で、高体連出身としてはクラブ史上初となる新人選手の開幕スタメン入りを果たすと、その後は主力としての地位を確立している。
「ずっとスタメンで出ていて凄いと思いますし、自分より上の存在だというのは思っています。あのフィジカルは凄い、強いなっていうイメージです」
プロ入り後、大型新人として注目を集める松木への印象を尋ねると、古川は率直にその答えを返した。もっとも、対抗心をむき出しにして意識するつもりはない。現時点での実力差に「悔しさはある」ものの、強気な言葉からは自負も覗かせる。
「僕にないフィジカルを松木選手は持っているんですけど、そういうところで対抗しようとは思いません。フィジカルは松木選手のほうが格段に上ですし、そこをプロ基準まで持っていかなきゃとは思っています。だけど、逆に僕は松木選手にない武器を持っていますから、自分のカラーでステップアップしていきたいです。
同年代で言うなら、グランパスの甲田(英將)選手、レイソルの升掛(友護)選手も皆ライバル。今は絶対負けていますし、自分の実力は下ですけど、これから絶対に勝つっていう自信はありますし、逆に今は自分が一番実力がないと思っているので、這い上がるだけ。
そこまで焦っているわけではなく、練習で成長していければ追いつけると思って、来年、再来年くらいにはスタメンで試合に出るくらいのイメージを描きながら、今は試行錯誤しながらやっています」
逸材ドリブラーとしてのプロキャリアはまだ始まったばかり。同年代のライバルたちが一歩先に進もうが、いずれ巻き返す日が来ると信じ、古川は戦い続けている。
[プロフィール]
古川陽介(ふるかわ・ようすけ)/2003年7月16日生まれ、滋賀県出身。AZUL滋賀FC-京都サンガF.C.U-15-静岡学園高―磐田。マッチアップした相手の逆を突くドリブル突破を武器に、昨冬の高校サッカー選手権で活躍。卒業後は磐田へ加入し、4月2日の柏レイソル戦(第6節)でJ1リーグデビューを飾った。今後の飛躍が期待されるパリ五輪世代の1人。
(FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)