初代怪物”平山相太が語る“令和の怪物”松木玖生 敢えて求める“期待を上回る”ためのファクターは?

高校時代の松木玖生と平山相太【写真:高橋 学 & 小林 靖】
高校時代の松木玖生と平山相太【写真:高橋 学 & 小林 靖】

【インタビュー】開幕からレギュラーとして活躍する松木に“怪物の先輩”平山がエール

 FC東京の大型ルーキーMF松木玖生は、プロ1年目ながら出場停止による1試合を除き、開幕からスタメン出場を続けている。高校サッカーの名門・青森山田でも1年次からレギュラーに定着し、高校選手権の舞台でも活躍して“怪物”の名をほしいままにしてきた18歳について、FC東京のOBで、自身も高校時代に“怪物”の異名を取った平山相太氏(現・筑波大学蹴球部コーチ)に聞いた。(取材・文=河合 拓/全2回の2回目)

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――平山さんは、MF安部柊斗選手(24歳)とMF紺野和也選手(24歳)をFC東京の期待の若手に挙げていましたが、鳴り物入りで加入したMF松木玖生選手(18歳)のプレーをどのように見ていますか?

「普通にJ1のレベルで戦えていて、サッカーを仕事にする意味、自分の役割、プロとしての役割も理解していますよね。すごくいいですし、ここからさらに成長していってくれるんだろうなと楽しみです」

――サッカーに限らず、野球やボクシングでも「怪物」と表現される選手がいます。突出した選手に付けられる愛称なので、この愛称を背負うことはプレッシャーも大きいと思います。

「今、振り返っても自分は『怪物』だったとは思いません(苦笑)。ただ。周りの期待に応えるのもプロサッカー選手の仕事の1つなので、松木くんには本当に自分を『怪物』だと思って、期待を上回っていけるように頑張ってもらいたいです」

――平山さんは大学、海外を経由してからJリーグでプレーしましたが、高校サッカーで結果を残してプロに入ったという点は同じです。周囲の期待度があるなかで、プロになる難しさは感じましたか?

「そうですね。松木くんは中盤の選手なので、個人の結果よりも、チームが勝つことが、彼の評価につながってくるはずです。今もすごく貢献しているとは思いますが、高校時代はゴールも決めていたので、得点やアシストという目に見える数字も付いてくれば、みんなの期待を上回っていくような選手になってくれるのではないでしょうか」

――今後の日本のサッカー界を背負っていく選手になる期待もありますか?

「もちろんです。ただ、日本代表も中盤は本当にレベルが高いので、競争に食い込むのは容易ではないとは思いますが、プレーからは日本代表を目指していることが伝わってきます。早く割って入って行き、日本代表でプレーする姿を見たいですね」

[プロフィール]
平山相太(ひらやま・そうた)/1985年6月6日生まれ、福岡県出身。国見高―ヘラクレス(オランダ)―FC東京―仙台。高校時代に「平成の怪物」の異名を取り、鳴り物入りでプロの世界へ。オランダでのプレーを経て2006年に帰国し、FC東京では怪我に苦しんだ時代もありながら、11年在籍でナビスコカップ優勝と天皇杯優勝を経験した。17年シーズン限りで現役引退し、指導者の道へ。2022年より筑波大学蹴球部コーチを務める。

(河合 拓 / Taku Kawai)

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