「国立に愛された男」ここにあり “怪物”平山相太がサッカーの聖地で活躍できた訳
“国立男”の愛称は「嬉しかった」
――天皇杯・鹿島戦でのオーバーヘッドはいかがですか? 一度、攻撃の組み立てに加わって、サイドにボールをはたいてから決めています。
【PR】ABEMA de DAZNで欧州サッカー生中継!伊東・鎌田ら注目の日本人選手所属クラブの試合を一部無料生中継!
「奇跡みたいなものですよ。練習試合でFC東京時代に1回、オーバーヘッドを決めたことがありましたし、練習からもチャンスがあれば狙っていたのですが、実際に公式戦でやって入るとは思っていませんでした。たまたま足の良いところに当たっただけです」
――左足で、しかも平山選手の身長(191センチ)を考えると、オーバーヘッドに持っていくのは難しいような高さのボールだったと思います。
「そうですね。オーバーヘッドというよりは、背中が地面についているので、後転のような感じなんですよね(笑)。身体が勝手に反応してくれたのですが、それはシュート、ゴールを意識していたからこそだったと思います」
――2013年シーズンには、緑色のユニフォームを着た浦和と対戦した試合(第25節/3-2)で、試合終了間際に決勝ゴールを決めています。この時、ゴール裏に走って行き、自身のゲーフラの前でガッツポーズをした写真があります。
「すごい! この時のゴールは覚えています。右から(太田)宏介がフリーキックをゴール前に上げてくれたボールをヘディングしました。ガッツポーズがゲーフラの前だったのは、たまたまです(笑)」
――この勝利は、浦和から挙げたリーグ戦9年ぶりの勝利でした。ほかにも東京ヴェルディとのダービーでのハットトリックなど、国立での活躍ぶりはすさまじいものがありました。改めて、国立で強さを発揮できた要因はどこにあったのでしょうか?
「自分でも分からないんです。ピッチコンディションがいいというのは感じましたが、味スタでも、それは変わらないですからね。『点を取れそうだな』という気持ちはありましたが……。まあ、『国立に愛された男』ということにしておいてください(笑)」
――実際、本当に国立に愛されていたと思います(笑)。「国立男(こくりつおとこ)」という愛称もありますよね?
「嬉しいですね。東京には国立(くにたち)市があるので、ちょっと『国立(くにたちおとこ)』にならないか、大丈夫かなっていう心配もありますけど(笑)」
――平山さんのキャリアとともにあった国立ですが、東京五輪開催に伴って改修されました。どんな思いでしたか?
「悲しかったですよね。でも、同時にこれまで以上に『聖地』になってほしいと思いました。大きく、綺麗なスタジアムになることで、数々の歴史が新たに作られていくんだろうなという期待、それに『自分もプレーしてみたかったな』という気持ちもあります」