「国立に愛された男」ここにあり “怪物”平山相太がサッカーの聖地で活躍できた訳
【インタビュー】国見高時代は国立競技場でのプレーを目指して鍛錬
FC東京は4月29日、J1リーグ第10節ガンバ大阪戦を国立競技場で行う。1999年のJリーグ加盟初年度から、“聖地”で数々の名場面を演出してきたが、改修された“新国立競技場”で単独チームがJ1リーグを開催するのはこれが初。FC東京の国立の歴史に新たな1ページが加わる瞬間に向けて、クラブOBで、“国立に愛された男”でもある平山相太氏(現・筑波大学蹴球部コーチ)に話を聞いた。(取材・文=河合 拓/全2回の1回目)
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――日本には多くのプロサッカー選手が存在しますが、平山さんほど国立競技場で結果を出してきた選手はほとんどいません。平山さんにとって、国立競技場はどんなスタジアムでしたか?
「ピッチコンディションが素晴らしかったということが一番ですね。サッカー専用スタジアムではない分、ピッチとスタンドの距離は多少ありますが、サッカー専用スタジアムのような感覚でプレーできていました。いい思い出、いい印象がすごくあって、FC東京に入ってからも年に何回か国立で試合をする機会があったので、憧れの場所からホームスタジアムの1つになっていく感覚でした」
――「憧れの場所」という言葉がありましたが、初めて国立でプレーしたのは、高校1年次の準決勝(鹿児島実高戦)でしょうか?
「はい。1年生で初めてプレーした時はもちろん、3年生の決勝(筑陽学園高戦)も含めて、高校時代は国立を目指していました」
――高校選手権では3年間で6試合を国立競技場で戦い、7得点を記録しています。最も印象に残っている試合やゴールはありますか?
「高校2年生の時に決勝(市立船橋高戦)で負けた試合が一番ですね。自分が出場した試合で、国立で負けたことはほとんどなかったので。プロに入ってからもいい結果が多かった分、一番悲しいというか、悔しい思いをして印象に残っています。ゴールは……、特になくてどれも一緒です(笑)。どのゴールも、国立で挙げた価値ある1点という感じです」
――高校3年間で、2回も国立競技場で日本一になる経験をした選手は少ないと思います。この優勝についてはどんな思い出になっていますか?
「1年生の時は先輩たちが頑張って優勝したところに付いて行っていただけでした。3年生の時は、『やっと高校生活が終わるな』という開放感が正直大きかったですね(笑)」