ネイマールらブラジルの猛攻に手も足も出ず… 手倉森J、五輪前最後の実戦は0-2以上の完敗
OA枠の3人を先発起用もFWガブリエル・バルボサの高速ドリブルから先制点許す
手倉森ジャパンのリオデジャネイロ五輪本大会前、最後の腕試しとなったホスト国ブラジル五輪代表との親善試合は、0-2のスコア以上に実力差を見せつけられる完敗となった。
日本はオーバーエイジ枠で選出されたDF塩谷司(広島)、DF藤春廣輝(G大阪)、FW興梠慎三(浦和)の3人がいずれもスタメンのピッチに立った。一方のブラジルは、地元開催の期待を背負うオーバーエイジ枠でエースのFWネイマール(バルセロナ)、欧州の移籍市場で注目銘柄となっている19歳のFWガブリエル・ジェズス(SEパルメイラス)が前線でスタメン出場。手倉森ジャパンの守備陣に襲い掛かった。
メンバー発表の時点で手倉森誠監督が「守備に回る時間が長くなる」と本大会を見据えていたが、そのシミュレーションには十分過ぎるほどのゲーム展開になった。ブラジルの攻撃を受ける中で日本は、この試合の翌日に30歳の誕生日を迎える興梠にボールを集めてタメを作りたいところだったが、その前の中盤のところで潰されて敵陣に入り込めない展開となった。
前半18分、ブラジルは左サイドを突破して上げたクロスに対してMFフェリペ・アンデルソン(ラツィオ)が胸トラップから強烈なボレーシュートを放った。しかし枠内をとらえたボールはGK中村航輔(柏)がファインセーブで難を逃れた。さらに同21分、ワンツーで抜け出したジェズスが日本DFにボールを引っ掛けられながらもターンを繰り返して前進し、GK中村の寸前でトリッキーなシュートを狙ったがわずかに枠の外へ飛んだ。
同30分過ぎには高温の中でのゲームとあって給水タイムが設けられたが、そこで集中力を途切れさせてしまったのは日本だった。同32分、中盤でボールを持ったFWガブリエル・バルボサ(サントス)が日本守備陣のスキを見つけると、一気にドリブルでスピードアップ。日本の守備陣を置き去りにして左足でシュートを放つと、必死にカバーに戻った植田に当たったボールはGK中村の逆を突いてゴールの中へ。日本は0-1と先制を許してしまった。
攻撃の手を緩めないブラジルは、さらに同37分にMFチアゴ・バイーアのミドルシュート、同38分のネイマールの直接FKが立て続けにクロスバーを直撃した。そして同42分、ネイマールの右CKからDFマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)が打点の高いヘディングで叩いて2点目。結局、前半で日本のシュートはゼロと、完全に圧倒され0-2でハーフタイムを迎えた。