森保ジャパンへ“推し”の「欧州組7人」 アジア最終予選“未招集組”…22歳の長身ストライカー、久保級の逸材アタッカーら厳選
森保ジャパン初期の主力メンバー中島の代表復帰はあるか
■ 菅原由勢(AZアルクマール/DF/21歳)
今季リーグ成績:29試合1得点4アシスト
2020年の欧州遠征を経験し、東京五輪もギリギリまで候補に残っていたが、最後の最後にメンバー外となった。それでも同世代のムードメーカー的な存在である菅原が下を向いているはずもなく、オランダリーグでしっかりと存在感を高めている。欧州視察をしている森保一監督もその対象の1人として名前を挙げるなど、本大会の有力候補に返り咲きつつある。
なにより日本代表で選手層が最も不安視されるサイドバックを本職とする選手であり、良質なビルドアップやインナーラップなど、多彩な攻撃参加と同時に守備のインテンシティーも出せるのは大きい。右サイドはもちろん左サイドもこなすので、26人と言ってもそう多くの枠は割けないであろうポジションに厚みを加える意味でも大きい。
■ 坂元達裕(オーステンデ/MF/25歳)
今季リーグ成績:12試合1アシスト
ジャックナイフのような鋭い切り返しに代表されるドリブルは久保やMF三笘薫(ユニオンSG)のそれとも違い、相手ディフェンスの脅威になる。U-24日本代表との試合がA代表デビュー。国際Aマッチで出番を得たのは2次予選のタジキスタン戦(4-1)、キルギス戦(5-1)の2試合で、キルギス戦では1アシストを記録。ベルギーでの成長が認められれば、森保監督から声が掛かる可能性もあるだろう。
セレッソ大阪時代の右サイドハーフのイメージが強いが、左サイドはもちろんシャドーのようなポジションでも違いを生み出すことが可能だ。強いて課題を挙げるならフィニッシュだが、チャンスメーカーとしての能力は現在の主力メンバーに勝るとも劣らないものがあり、ここからどれだけアピールできるか注目だ。
■ 中島翔哉(ポルティモネンセ/MF/27歳)
今季リーグ成績:19試合1得点3アシスト
ポルトでの不遇、UAEアル・アイン移籍、足首の負傷など、コロナ禍の2年間でキャリアの流転を経験したが、古巣のポルティモネンセ復帰がまた1つ転機となった。主力に返り咲くと予測不能のボールタッチと攻撃センスを発揮している。また生粋のドリブラーとしてだけでなく、オフ・ザ・ボールの動きや効果的なプレッシングなど、確かなバージョンアップを感じさせる。
“森保ジャパン”初期の主力メンバーであり、当時は4-2-3-1の左が定位置だったが、4-3-3ではウイングよりもインサイドハーフで輝きを放てる可能性が高い。森保監督も再招集する場合はサイドだけでなく、中央での起用も視野に入れるはずだ。また、しばらく代表を離れていたことで、対戦相手に中心選手として警戒されにくい向きもある。ドイツやスペインとの戦いにおいて、このメリットは大きいだろう。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。