森保ジャパンへ“推し”の「欧州組7人」 アジア最終予選“未招集組”…22歳の長身ストライカー、久保級の逸材アタッカーら厳選
【識者コラム】アジア最終予選未招集の欧州組、推薦したい7人を厳選
カタール・ワールドカップ(W杯)開幕を今秋に控えるなか、本大会メンバー入りへの競争はすでに始まっている。PSV(オランダ)のMF堂安律やフランクフルト(ドイツ)のMF鎌田大地など、アジア最終予選の終盤で招集されなかった面々はもちろん、アピールを続ける未招集の選手たちが、今後のテストマッチで試される可能性は十分ある。そうした状況を踏まえ、ここでは最終予選未招集の欧州組で、メンバー招集へ「推しの7人」を厳選して紹介する。
■ 奥川雅也(ビーレフェルト/MF/26歳)
今季リーグ成績:28試合8得点1アシスト
今回の推薦メンバーでも待望度では筆頭だろう。初戦の相手がドイツになったことで、多くのファンが思い浮かべた1人ではないだろうか。ウイングとしてもインサイドハーフとしても違いを出せるアタッカーは、強度の部分でもドイツの地で飛躍的に高めている。現在、ビーレフェルトは2部降格の危機にあるが、そのなかで奥川はチームの約3分の1の得点を叩き出している。
「古都のネイマール」と呼ばれた持ち前の技術に加えて、オフ・ザ・ボールの動きでも違いを生み出しており、現在の代表メンバーとも違う色を出せる。ザルツブルク時代にはMF南野拓実(リバプール)と同僚だったことも連係面で強みになりそうだ。2年前の欧州遠征で招集されながらチーム事情で合流できなかったことで、理想的なルートから外れたところもあるが、逆にフレッシュなパワーをもたらし得る戦力として期待が懸かる。
■ 原 大智(シント=トロイデン/FW/22歳)
今季リーグ成績:28試合8得点3アシスト
待望の長身ストライカーがスケールアップの時を迎えている。出場機会を求めて、スペイン1部のアラベスからレンタル移籍したベルギーのシント=トロイデンで、東京五輪メンバーのFW林大地や現在は鹿島アントラーズに在籍するFW鈴木優磨と競争しながら成長を続け、今年加入した元日本代表MF香川真司からも大きな刺激を受けたようだ。
FC東京のアカデミーで育った原は、もともとサイズの割に線が細く、空中戦も得意ではなかった。どちらかというと縦の推進力や身体能力を生かしたアクロバティックなシュートが得意で、Jリーグではウイングで使われる試合も多かった。しかし単身渡ったクロアチアのイストラで個の強さを高めて、現在は2トップの一角で力強いポストプレーもこなす。香川の浮き球のパスを完璧にコントロールして決めた4月10日のスタンダール・リエージュ戦(3-0)のゴールは見事というほかない。
FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)を脅かす存在として鹿島のFW上田綺世やチームメイトの林も台頭しているが、スケール感や意外性ではかなり面白い存在だ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。