カタールW杯、出場決定29か国「パワーランキング」 森保ジャパンの立ち位置、スペイン&ドイツの“優劣”は?

セネガルのタレント力は優勝候補国にも劣らない

【穴】
注目国:メキシコ(9)、ウルグアイ(13)、セネガル(20)、デンマーク(11)、スイス(14)※カッコ内は最新のFIFAランク

 そもそもW杯の歴代優勝国は8か国に限られる。そのため、“穴”といっても優勝の可能性はここに挙げた5か国を合わせても数パーセントだろう。ただし、開催国カタールの環境や準備期間の短さなど、特殊な事情は新しい優勝国を生み出す要因になり得る。

 興味深いのがメキシコで、欧州リーグでプレーしている選手が全体の半数ほど。つまりメキシコリーグの協力次第で国内組の準備期間を長めに取れるのだ。過去7大会でベスト16に終わっているメキシコが大会のレギュレーションを力に得て、驚きの躍進を果たしてもおかしくない。

 また、FWエディンソン・カバーニ(ユナイテッド)やスアレス(アトレティコ)など、主力の年齢が上がってきているウルグアイもここに入る。EUROでの心停止から復活したMFクリスティアン・エリクセン(ブレントフォード)を擁するデンマークやイタリアを破って勝ち上がったスイスも優勝までは難しいが、ベスト4は狙えるチーム力を備える。

 アフリカ王者のセネガルは予選でエジプトに大苦戦し、レーザーポインター事件で評判を落としているが、FWサディオ・マネ(リバプール)やDFカリドゥ・クリバリ(ナポリ)など、主力のタレント力は優勝候補国にも劣らない。アフリカ勢は個性的な選手の揃うカメルーンや元日本代表監督のバヒド・ハリルホジッチ率いるモロッコも面白いが、躍進の可能性が最も高いのはセネガルか。

■【パワーバランス総論】

 ブラジルを筆頭に、本命グループの5か国の中から優勝国が出る確率は70パーセントぐらいと想定している。ただし、若いタレントが多いスペインは大会中にさらなる成長を遂げるポテンシャルがあり、ルイス・エンリケ監督の采配が的中すればこのパワーバランスを覆すことも可能だ。あとはスーパーエースを備えるアルゼンチンとポルトガル。優勝国は、これら8か国のいずれかと見るが、イレギュラーな要素が多く“サプライズ”にも期待したい。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング