カタールW杯、出場決定29か国「パワーランキング」 森保ジャパンの立ち位置、スペイン&ドイツの“優劣”は?
出場決定29か国を「本命」「対抗」「穴」にグループ分け
中東で冬に行われるカタール・ワールドカップ(W杯)は開催時期や試合環境など、これまでよりもイレギュラーな要素が多い。また正式決定ではないが、26人登録で5人のメンバー交代が可能になりそうだ。現時点で29か国の出場が決定しているなか、上位進出が有力視される国を「本命」「対抗」「穴」にグループ分けして、「パワーランキング」をまとめた。
■【本命】
注目国:ブラジル(1)、フランス(3)、ベルギー(2)、イングランド(5)、ドイツ(12)
※カッコ内は最新のFIFAランク
優勝候補の大本命はブラジルだ。過去5回の優勝を誇るが、2002年の日韓W杯を最後に世界一から遠ざかっている。これまでと異なるのは欧州流の戦術が組み込まれて、組織と個人の融合が進んだこと。パリ・サンジェルマン(PSG)で素行の問題が指摘されるFWネイマールもセレソンではチッチ監督のもと、攻守に躍動している。東京五輪で金メダルを獲得した若手からも台頭が見られ、不安要素は本大会に向けたピーキングぐらいだ。
タレント力ではブラジルに匹敵する前回王者フランスは、EURO(欧州選手権)でディディエ・デシャン監督がFWキリアン・ムバッペ(PSG)、FWアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)、FWカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)など豪華な攻撃陣を生かそうとして、結局うまく機能しなかった。欧州予選などを経て、そうした部分が改善されていれば連覇は十分に射程圏内だ。
さらに前回3位のベルギー、攻守のインテンシティーが高いイングランド、ハンジ・フリック監督の就任から調子を戻したドイツも“本命グループ”に含まれる。ただ、欧州リーグが開幕の1週間前まで行われていることもあり、同じ条件とはいえちょっとしたコンディショニングやチームワークのズレが命取りになるリスクが、これまで以上に高い大会。そうした罠にハマらない監督のマネジメントも大きな鍵を握りそうだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。