「鹿島は僕にとっての情熱」 元ブラジル代表ストライカーが黄金期で感じた勝利の追求

現在は妻ヴァウさん(左)の地元で幸せに暮らす【写真:本人提供】
現在は妻ヴァウさん(左)の地元で幸せに暮らす【写真:本人提供】

引退後も変わることのない鹿島への“熱き愛”

 引退後、訪日したのは2回。最後は2010年で、秋田豊の引退記念試合に招待された時だが、その後も鹿島を恋しく思い続けている

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「僕はここで穏やかに暮らしている。家族とゆっくり食事をしたり、ここは妻の地元だから、親戚が集まったりね。そして夕方には、スクールの指導のためにピッチに立つ。だけど、鹿島のことを考えると、今でもエキサイトするんだ。試合結果をインターネットでチェックして、勝てばガッツポーズ、負けたら悔しがって、ここにいてまで、負けたくない。鹿島は僕にとっての情熱なんだ。

 最高の仲間たちがいる、最高のチーム。あの頃の戦いを、あのメンバーでもう一度繰り返したいほどだよ。鹿島は僕に多くを与えてくれた。友情も栄光も、幸せな日々の記憶も。もちろん、引退後の経済的な基盤もそうだ。今こうして子どもたちに指導する時も、あの幸せをこの少年たちにも体験させてやりたいという思いが、僕を後押ししてくれるんだ。鹿島は僕のすべて。僕の人生だ。今でも鹿島を愛しているよ。心からね」

[プロフィール]
マジーニョ/1965年12月26日生まれ、ブラジル出身。サントス―サンベント―ブラガンチーノ―バイエルン(ドイツ)―インテルナシオナル―バイエルン(ドイツ)―フラメンゴ―鹿島―川崎―ブラガンチーノ。抜群のゴール嗅覚を武器に、ブラジル代表としてもプレーしたストライカー。1997年にはリーグ3位タイの22ゴールをマークするなど、鹿島の第一次黄金期を支えた。鹿島在籍5年、川崎在籍1年でJ1リーグ通算108試合53得点。

藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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