W杯“死の組”入りの日本、森保監督が明かす強敵攻略プラン ヒントは2年前のバイエルン「目指すべき戦い方」

日本代表を率いる森保一監督【写真:(C) JFA】
日本代表を率いる森保一監督【写真:(C) JFA】

森保監督が2年前から目指す日本代表の姿「個の力を最大限に上げて、組織力を上げる」

 日本代表を率いる森保一監督は4月11日、欧州視察中の現地からオンラインで取材に対応じた。11月に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)に向けて、欧州で活躍する選手とコミュニケーションを図りつつ、グループリーグで対戦することになったドイツやスペインについても調査。強敵と対戦するにあたってチーム作りや攻略方法のイメージを膨らませているようだ。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 7大会連続でW杯出場を決めた日本。目標に掲げるベスト8進出へ、まず突破を目指すグループリーグでは優勝経験のあるスペインとドイツ、そしてコスタリカかニュージーランドの大陸間プレーオフ勝者が同居するE組に入った。最も大事とも言われる初戦の相手はドイツ。過去2度対戦し、1分1敗と勝利したことはない。そのなかで、森保監督が描く“勝ち点3”のイメージはどういうものなのか。

 その“ヒント”は2年前にあった。2020年8月23日、パリ・サンジェルマン(PSG)対バイエルンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝が行われた。結果は1-0でPSGを下したバイエルンが、7年ぶり6回目の優勝を果たした。この欧州王者チームを率いていたのがハンジ・フリック監督。現在ドイツ代表の指揮官だ。20年9月15日、CL決勝を観戦した森保監督は、当時から日本代表が目指すべき姿はバイエルンだと当時話していた。

「一言でいうと、バイエルンの戦い方は我々が目指すべき戦い方かなと思う。バイエルンはPSGよりもチームで組織的に戦う部分、組織でハードワークする部分で上回っていた。日本代表や日本人が今後世界で戦って勝っていくためには、まずは個の力を上げることをもっとやっていかなければいけない。日本の組織力は世界の中で連係連動するプラスアルファの力を生み出すことができる。個の力を最大限に上げて、組織力を上げること」

 バイエルンの組織力、個の技量の高さ、メンタリティーの強さに刺激を受け、新型コロナウイルスの影響は受けながらもこの2年間で目指すべき姿として戦ってきた。W杯アジア最終予選では初戦でオマーンに敗れるなど苦しい道のりとなったが、6連勝で本大会切符を獲得するなど、苦境のなか奮い立たせて進んできた。2年経った今も考えは大きく変わらない。

「CLでもW杯でもバイエルンの選手を中心に優勝したこともある記憶がある。いい選手がいても、チームとしてつながらないといけない。個の能力も出せないといい結果につながらないと見てきている。バイエルンのいい選手がチームのため、仲間のため、とやりながら個の良さを出すのが参考になると思っていた。バイエルンやちょっと前のユベントスは個性豊かな選手がハードワークを厭わない部分で相手に隙を与えず、どんな戦いでもチームとして崩れずに勝っていく。こういう部分は今の代表もやっていきたい。日本人のメンタリティーとして、自分のことに責任を持ってやるうえで、周りと連係、連動してしっかりやるのは、すべての組織で日本人の持っているメンタリティーだと思う。そこを表現できるように戦うチーム作りをしたい」

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