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大敗でサポーターの出費約7900万円を払い戻し サンダーランド選手団の選択
高騰するプレミアリーグチケットに国外リーグ観戦を選択するファンも
しかし、毎シーズン残留を争うサンダーランドの選手とはいえ、現在年間18億ポンド(約3150億円)という世界一のテレビ放映権料がかなり公平に分配され、最下位チームでも1シーズンで約70億円が支給されるプレミアリーグ戦士。2万5000ポンドは週給の平均で、18人で8000万円近くの払い戻しをしても、彼らにとっては1週間分の給料の損失でしかない。
しかしそれでも、無気力試合に対して自発的にサポーターの経費を払い戻すことで自らを罰した態度を、まるで評価しないというわけにもいかないだろう。当然だが、選手に払い戻しをする義務はない。
こうした自発的な払い戻しの背景には、近年プレミアに集中する金満主義への批判もあると思う。前述したが、高騰するばかりのテレビ放映権料にはじまり、選手年俸、毎年値上がりする一方のチケット料金は、目に余るものがある。
先週、その高価なプレミア観戦に異議を唱えるような記事がふたつ出た。ひとつはBBCが伝えたもので、最近、英国人の間でドルトムント観戦が密かなブームになっているというものだ。
なんと毎週1000人の英国人サッカーファンがドルトムントに詰めかけるという。中には香川真司のプレーが見たいという人もいるかも知れないが、その最大の理由は、プレミア戦のチケットが高騰した上、その入手が非常に困難だからだ。
この記事によると、ドルトムントの年間シートを購入した場合、1試合当りのチケット代はわずか9ポンド(約1569円)だという。取材に応じたロンドン近郊ケント在住のマフュー・ジェラード氏は、「昨季、アーセナルのチケットを購入したが、51ポンド(約8925円)もした」と話して、イングランドの入場券料の高さを訴えた。
もうひとつの記事はザ・サンが10月16日付で報じたものだ。Rマドリードが174ポンド65ペンスの格安シーズンチケットを売り出したことを以下のように伝えた。
「Rマドリードが格安のシーズンチケットを売り出した。この料金なら航空運賃を加算しても、アーセナルの最も高いシーズンチケットを購入するより安価となる。
今回のRマドリードが売り出した格安シーズンチケットの料金は174ポンド65ペンス(約3万564円)。格安航空会社『イージー・ジェット』を利用した場合、ロンドン、マドリードの往復運賃は年平均で71ポンド(約1万2425円)。シーズンチケットがこれだけ安価なら、全ホーム戦を観戦するためにロンドン、マドリードを19回往復をしても、合計1523ポンド65ペンス(約26万6600円)となり、アーセナルの一番高い年間シート料金である2013ポンド(約35万2275円)より490ポンド(約8万5750円)も安いことになる」