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大敗でサポーターの出費約7900万円を払い戻し サンダーランド選手団の選択
0-8大敗で選手自らサポーターのチケット代&旅費を払い戻したサンダーランド
サンダーランドはイングランドの北東部の街で、プレミア所属クラブの中では最北端に位置している。一方、サウサンプトンは最南端の街。つまりアウェイ戦となるとプレミア最長距離の旅程を強いられる。
10月18日、2559人のサンダーランド・サポーターがプレミア最長距離を旅した。約4時間かけて首都ロンドン・キングスクロス駅に到着し、そこからまた混雑する市内を30分かけて移動して、南に向う電車のターミナル駅であるウォーター・ルーへ行く。サウサンプトンへはそこからさらに1時間半。そんな長旅も、愛するチームを精一杯サポートして、しびれるようなアウェイ勝利を見たい一心で耐える。
ところが、ロンドン内での移動も含めれば、片道6時間にも及ぶ電車の旅を経て、彼らがサウサンプトンで見たのものは、0-8という歴史的大敗だった。
立ち上がりのサウサンプトンはそれほどいいという状態でもなかった。それどころか、今季の目玉になりつつあるクライン、タディッチに代表戦の疲れが見え、チームとしての動きもかなり緩慢だった。
ところが前半12分、サンダーランドDFベルジーニが右足でクリアしたボールがハーフボレーになって自軍ゴールネットを豪快に揺らしてしまう。こうして、試合後BBC電子版が『プレミア史上でも最もスペクタクルなオウンゴールのひとつ』と見出しをつけた先制点が生まれると、そこからアウェイ・チームがミスを連発。とにかく守備が乱れて、終ってみれば2点のオウンゴールを含め、8点を献上した。
すると翌々日20日の朝、英大衆紙ザ・サンにこんな見出しが踊った。『サンダーランド・ファンに選手が払い戻し』。大敗したサウサンプトン戦に登録された18人のサンダーランド選手団が、このアウェイ戦に駆けつけた2559人のサポーターのチケット代と旅費を払い戻すというのだ。
記事中、自軍ゴールを8度も揺らされたイタリア人GKマンノーネは、「できる限りのことをしたい。我々が(ファンの費用は)支払うべきだ。なぜなら僕らは全力を尽くしたとはいえない試合をした。自分を含め、チーム全員がタオルを投げてしまった」と語り、支払いを約束した。
その額は、サポーター一人当たり、24ポンドのチケットと152ポンド50ペンスの交通費の合計176ポンド50ペンス。総額は45万1663ポンド50ペンスとなり、日本円にして約7904万円という大金になる。
これをベンチ入りした7人を加えた18人の登録選手で割ると、ひとりの支出は2万5092ポンド。約439万円だ。