チェルシーのロシア人オーナー、クラブ売却後に即サッカー界復帰? バレンシア購入検討か
チェルシーは現在、経済活動を禁止されている
イングランド1部チェルシーのオーナーを務めるロシア人富豪のロマン・アブラモビッチ氏は、チェルシーの売却が完了次第、スペイン1部バレンシアを購入しようとしているという。英紙「デイリー・ミラー」が報じた。
ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、ウラジーミル・プーチン大統領と近い関係にあるアブラモビッチ氏は、欧州連合(EU)と英国から制裁を科された。同氏が2003年から所有してきたチェルシーも、経済活動が禁止されており、新選手の獲得はおろか、今季限りで契約が満了する選手たちとの新たな契約を結ぶこともできない状況にあり、クラブを売却せざるを得ない状況に追い込まれている。
現在、チェルシーは事実上、政府の管理下に置かれており、アブラモビッチ氏に利益が入らない形での売却が進められている。まだ売却は完了していないものの、昨年12月にクラブ・ワールドカップ(W杯)を制した現在“世界王者”のチェルシーには、複数の購入希望者が表れており、今月中にも新オーナーが決まる可能性があるようだ。
チェルシーを売却した場合、アブラモビッチ氏はサッカー界から離れることになると思われていた。だが、同じくバレンシアの元副社長であり、クラブの買収に動いているミゲル・ゾリオ氏によると、シンガポール人の実業家であるピーター・リム氏が売却に動いているスペイン1部バレンシアを買い取ることで、すぐにサッカー界に戻る準備をしているという。
現在、経営状況が芳しくないバレンシアは、欧州大会の常連だった。しかし、今は中位を争うクラブとなり、クラブのスター選手を売却する一方で、その穴を埋めるような補強もできていない。ゾリオ氏はメディアに「ピーター・リム氏はクラブをロンドンに2億5000万ユーロ(約340億円)で売却しようとしたが、成功していない。最近、彼は国際メディアに対して、2つの売却先候補があるとしている。私のものと、チェルシーのロシアのオリガルヒのものだ。彼が好むかどうかは関係なく、今後、私は彼に対して、彼の作った損失を埋めるために、毎年5000万ユーロ(約68億円)を支払うか、それともクラブを私たちに売却するかの二者択一を迫る」と、書面で伝えたという。
アブラモビッチ氏がチェルシーを売却する前の2000年、2001年にはUEFAチャンピオンズリーグの決勝にも進出していたバレンシア。スペインの古豪には、どのような未来が待っているだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)