ミラン監督の言葉に潜む本田復活のキーワード バイエルン戦のチームに見出した「自己犠牲精神」
流麗な連携よりも指揮官が評価したもの
流麗な連携よりも、指揮官が満足したことがあるという。「私が最も気に入ったことは自己犠牲だ。成長し、自分を犠牲にしようとする情熱を目にすることができた。このグループは何かを成し遂げる準備を進めている」とモンテッラ監督はこう語った。
右ウイングに入った本田は、バイエルンのオーストリア代表DFダビド・アラバという実力者とマッチアップしたことから、PK戦以外ではほとんど見せ場を作れなかった。だが、昨季1得点3アシストという攻撃的なポジションの選手として完全なる不発でも、出番を手にできたのはモンテッラ監督の口にした自己犠牲の精神ゆえだった。たとえ局面打開力に乏しくても、本田はバランサーとして攻守に奮闘した。
昨季後半戦にジェノアへ武者修行に出たスソが、6得点2アシストと結果を出してミランに戻ってきた。モンテッラ監督はクラブが移籍させる方針だった左利きの新鋭を「放出してはならない」と強化部に要請するほど気に入っており、ポジション争いで本田の一歩先を行っているのは間違いない。
だが、サムライとも呼ばれる本田の自己犠牲精神は、モンテッラ監督にも評価してもらえるかもしれない。
「目指すところは楽しいフットボールを構築すること。パスで主導権を握る。結果ではなく、内容が大事なところだ。いかに相手にダメージを与え、自己犠牲を払うのかが、私が最も気に入ったところだ」
指揮官は一貫して自己犠牲の重要性を強調していた。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
page1 page2