W杯出場へ期待…森保ジャパン未招集「個性的な8人のタレント」 異なる“武器”を持ったJリーグの成長株がずらり
鳥栖FWは危険なシャドーストライカーに、横浜FMのMFは大岩剛監督も資質を認める1人
■岩崎悠人/Yuto IWASAKI
所属:サガン鳥栖
年齢:23歳
ポジション:FW
今季J1リーグ成績:6試合0得点
無尽蔵の運動量で左サイドを上下動しながら攻守の多くの局面に絡んでいく。アンダーカテゴリーの代表候補として期待されてきたが、パフォーマンスの波が激しく、移籍する先々でレギュラーに定着できていなかった。しかし、川井健太監督のハイインテンシティーなスタイルにフィットして、素早い攻守の切り替えを武器にインパクトを放っている。
しばらく日の丸からは離れているが、もともと国際経験は豊富なので、そうした環境にビビることはないだろう。現在の鳥栖は3バックをメインにしているが、流れのなかでウイングのようなポジションになることは多く、起用をウイングバックにこだわる必要は全くない。また機を見てインサイドに潜り込めば、危険なシャドーストライカーに変身する。
■藤田譲瑠チマ/Joel chima FUJITA
所属:横浜F・マリノス
年齢:20歳
ポジション:MF
今季J1リーグ成績:8試合0得点
中盤でボールを奪う能力が高く、起点のパスから流れに応じて、バイタルエリアに顔を出してチャンスに絡むこともできる。ボックス・トゥ・ボックスのダイナミズムは現在のA代表に入ってもスペシャリティーになる。昨年はトレーニングパートナーとして森保監督が率いた東京五輪の直前合宿に参加し、強化試合のホンジュラス戦で短い時間ながら出場した。
A代表入りの意識も人一倍高い。リーダーシップがあり、パリ五輪世代で挑んだドバイカップU-23ではキャプテンマークを巻いた。大岩剛監督もA代表の資質を持つ選手の1人に挙げており、森保監督と共有されているかもしれない。課題はJリーグのパフォーマンスにやや波があること。横浜FMはAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)にも参加するので、国際試合で影響力を発揮して、さらなる成長を示したい。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。