カタールW杯組分け総括 日本にとっては“死の組”も、全体的にはバランスの取れた結果
アルゼンチン、メキシコ、ポーランド、サウジアラビアのC組が混戦模様か
カタール・ワールドカップ(W杯)は現地時間4月1日に組み合わせ抽選会が行われた。日本がドイツやスペインと同じE組に入ったことが注目されるなか、全体的に見れば典型的な「死の組」は発生しないバランスの取れた抽選結果になったと言えそうだ。
今回の抽選は、FIFAランキングを基にしたポット分けがされた。そのなかで開催国カタールが第1ポットに入ったことで、そのA組次第ではほかの組に強豪が固まる可能性も高まった。しかし、第2ポットからオランダが入ったことで、ほかの第1ポットのチームは胸をなでおろした。以降はセネガルとエクアドルが入り、カタールにとっては比較的に希望の持てる抽選結果になったと言えるだろう。
そのなかで、第2ポットからどこに入るか注目されたドイツは、スペインと同じE組に入った。そこには第3ポットからは日本、第4ポットからは北中米カリブ海のコスタリカとオセアニアのニュージーランドによる大陸間プレーオフの勝者が入ることになった。日本から見れば、W杯優勝経験を持つスペインとドイツが入る「死の組」だが、世界的に見ればシンプルな2強グループという評判になるだろう。
前回王者フランスはD組で、昨年の欧州選手権(EURO)で4強のデンマークと対戦する。一方で、その組の第3ポットはチュニジア、第4ポットからはUAEまたはオーストラリアと、南米5位ペルーの大陸間プレーオフの勝者が入る。FIFAランキング1位のブラジルはG組でスイス、セルビア、カメルーンと対戦。W杯での決勝トーナメント常連国が固まるようなグループは発生しなかった。
そのなかでは、アルゼンチンに対して北中米カリブ海の曲者メキシコと、世界最高ストライカーの1人であるFWロベルト・レバンドフスキを擁するポーランドが入ったC組が混戦要素の強いグループと言えるか。ここに第4ポットから入ったサウジアラビアは苦戦を強いられそうだ。
ほかでは、韓国がH組でポルトガル、ガーナ、ウルグアイと対戦する。元日本代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏が率いるモロッコは、F組でベルギー、クロアチア、カナダと対戦することが決まった。
ただし、B組では第1ポットからイングランド、さらにアメリカ、イランと入り、第4ポットは欧州予選プレーオフの勝ち上がりが入る。ここには、ウクライナ、スコットランド、ウェールズのいずれかが入るだけに、政治的な軋轢を持つ国と、同じ英国内での対戦が発生する可能性があり、少し違った形で注目を集める可能性もありそうだ。
前評判の上ではどのグループも突破予想がしやすいような組み合わせになったが、W杯は番狂わせが大会を盛り上げてきた。アッと驚くような結果を導いて台風の目になるチームがどの大会でも生まれおり、それがどのチームになるのか注目される。
(FOOTBALL ZONE編集部)