日本の応援禁止ルール「驚いた」 ベトナムサポーターの声出し&チャント規制へ母国見解「理不尽だ」

ベトナムサポーターには再三の注意喚起【写真:高橋 学】
ベトナムサポーターには再三の注意喚起【写真:高橋 学】

W杯最終予選「日本対ベトナム」の一戦で、ベトナムサポーターが応援規制ルールを無視

 カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本(FIFAランク23位)対ベトナム(同98位)の一戦(1-1)で、ベトナムスタンドから声出し、チャントのルール違反行為が起こった一件を巡り、ベトナムメディアは「ベトナム語で書かれた応援禁止標識に全員が驚いた」と報じている。

 3月29日に埼玉スタジアムで行われたW杯最終予選・日本対ベトナムの一戦は、「まん延防止等重点措置」が解除されたことで4万4600人が集結。一方で、コロナ感染対策による声出し禁止などの応援規制が敷かれたなか、約3000人が集まったベトナムサポーター側のスタンドからは前半から自チームが攻撃に転じると、スタンドから大音量の声援、チャントなどが起こった。

 会場では試合中、英語と日本語による“禁止アナウンス”が再三流され、スタンドの最前列ではベトナム語で書かれた禁止標識を持った警備員の姿もあったが、ベトナムサポーターはそれを無視。一向に声援を止めようとする気配がないまま、試合終了を迎えた。

 このマナー違反が試合後、日本国内で話題となったなか、ベトナムメディア「DANTRI」もこの一件に注目。「埼玉スタジアムに置かれたベトナム語で書かれた応援禁止標識に全員が驚いた。開催国である日本の主催者は、スタンドで応援する際に手で歌ったり口笛を吹いたりすることを禁止する記号が書かれた看板を警備員に持たせたのである」と綴っている。

 日本の場合、Jリーグやプロ野球などでいまだ応援規制が敷かれているのが現状。それでも「ベトナムのファンの多くは、埼玉スタジアム主催者の禁止令に不満を示し、『この試合では、応援や歌なしでサッカースタジアムに来るのは理不尽だ』と述べた」とも記され、日本のスタンダードを受け入れるのを拒否したとしている。

 世界を見渡せば声援有りの応援スタイルが戻りつつあるが、慎重な構えを崩さない日本。応援規制を巡っては試合後、DF吉田麻也が「ずっと思ったがヨーロッパや、アメリカでも、南米でも、アフリカネーションズでも、みんなそうなっている。しっかり、3回ワクチン接種して、陰性証明出して提示して、規制を緩和するのも次のステップだと思っています」と見解を述べていたなか、日本の状況についてベトナムメディアも“驚き”として捉えていた。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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