パリ五輪世代の10番・斉藤光毅、本気で狙う“A代表” 森保ジャパン入りへの野心は「人一倍」
“A代表からパリ五輪”という合言葉を、本気で意識する斉藤光毅
彼らに負けず劣らず、A代表入りの野心を燃やすのがMF斉藤光毅(ロンメルSK)だ。横浜FCでJリーグデビューした斉藤はいち早く欧州挑戦を決めて、マンチェスター・シティと親会社が同じベルギー2部クラブに移籍。しばらく怪我に悩まされたようだが、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)、DF内野貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)とともに“欧州組”として選ばれると、2試合ともスタメンで10番に相応しい輝きを放ち、カタール戦ではFW細谷真大(柏レイソル)のアシストで見事なゴールを決めた。
「Jリーグで点取ってる選手、活躍している選手を見ると、常に刺激をもらいますし、危機感も芽生えるので。本当に自分がちょっと早く海外に行ったからと言って、何も変わらないですし、もっともっと成長しないといけないなと常に思っているので。刺激を与えられつつも、与えつつも、より良い集団にしていきたい」
そう語る斉藤は“A代表からパリ五輪”という合言葉も、大岩監督に言われたからそう意識するのではなく、自分たちから本気で思って過ごしていかないと、目標には届かないことを強調する。
「選手たちが本当にA代表に入りたいんだという気持ちを前面に出さないと、やっぱりそういう気持ちは他人には伝わらない。それこそA代表のスタッフや選手たちにも見てももらえないので。みんなもそういう気持ちを持ってると思うんですけど、特に自分は人一倍そういう気持ちを持って、高いところを意識しながらやっていきたい」
そのためにはA代表の選手たちとやってもしっかり合わせられることも大事だが、やはりこの世代がチームとしてどんどん勢いに乗って良いパフォーマンスを出すことで、早いうちから何人もA代表に入っていくムーブメントを起こしていけると斉藤は本気で考えている。
「このチームで結果をめちゃくちゃ残せば、多くの人がA代表に上がれる。それこそA代表の人とかもプレッシャーを感じると思うので。本当に自分たちでどれだけ上を目指せるか。本当に全員がA代表に行く気持ちで、上に行く気持ちでやって行かなきゃいけない」
こうした意識を斉藤だけでなく、Jリーグでプレーする選手も含めて持ち続けながら、どんどん突き上げていけるか。W杯最終予選のオーストラリア戦で2ゴールを決めた三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)を筆頭に、A代表では東京五輪世代の活躍が目立ち始めているが、彼らを飲み込んでいくような勢いをパリ五輪世代に期待して、まずは3月29日(日本時間30日)に行われるサウジアラビア戦に注目したい。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。