久保、堂安ら「ずっと出られない可能性も」 V字回復の森保ジャパン…変化した“起用基準”を金田喜稔が指摘
「鎌田、堂安、久保に足りないところ」に言及
日本は最終予選3試合を終えて1勝2敗と追い込まれており、当時は森保監督の進退問題も浮上。さらに、ホームでライバルのオーストラリアを迎え撃つなか、指揮官はシステムとスタメンの両方にメスを入れる英断を下し、その決断は奏功した。
本拠地でオーストラリアを撃破したのを機に4-3-3システムがベースとなり、そこから中盤は守田、田中、MF遠藤航(シュツットガルト)の3人が軸となっていく。金田氏は「早々に2敗目を喫して追い込まれ、起用基準を割り切った結果が、守田、田中、遠藤らの中盤を軸とした、4-3-3システムの採用だったのだろう」と語る。
“割り切った起用基準”について「どちらかと言えば守備力重視とも捉えられる」と言及。アタッカー陣も同様の基準と見ており、MF鎌田大地(フランクフルト)、MF堂安律(PSV)、MF久保建英(マジョルカ)らがあおりを受ける形になったと分析した。
「守備力の部分が鎌田、堂安、久保に足りないところだ。ただし、足りないところを補って余りあるものを見せつければ問題ない。つまり、鎌田のサッカーセンス、堂安の精度の高いキック、久保の創造性あふれるプレーを、森保監督が是が非でも組み込みたいと考えるかどうかだ。圧倒的な長所は短所を補う。もっとも、そうした個の強みを継続的に発揮できず、さらに守備面でも劣るとなれば、今後ずっと出られない可能性もある」
4-3-3へのシステム変更をきっかけに上昇気流に乗った森保ジャパン。今年11月にカタールで開催されるワールドカップまで約8か月の時間があるなか、メンバー起用基準とポジション争いの両方が見どころとなりそうだ。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。