三笘薫なら「心配ない」 英記者が南野拓実との“違い”を評価、W杯での先発起用を推奨
南野のパフォーマンスは日本にとって最も取るに足らないものの1つ
日本のほうがよりクオリティーが高く、より聡明だった。森保ジャパンは酒井宏樹、冨安健洋、大迫勇也が不在で戦ったが、それでも試合の大部分を支配していた。この14年間、ホームでは負けなしだったオーストラリア相手に、だ。
雨でデコボコのピッチでも日本の優位は変わらなかった。遠藤航はディフェンスラインの前のスペースをパトロールし続け、アイディン・フルスティッチをサイドに追いやり、得意の長距離砲を封じた。アーノルド監督はマーティン・ボイルとアワー・メイビルのスピードに頼っていたが、それにも山根視来と長友佑都がうまく対応していた。
もちろん、日本のパフォーマンスに問題点がなかったわけではない。吉田麻也や遠藤はプレッシャーがほとんどないなかでもパスミスをする場面があった。
今予選で何度もヒーローとなった伊東純也は、これまでほど効果的ではなかったが、それでも右サイドからのクロスとボックス周辺での巧みなボールタッチはオーストラリアのDFが常にスイッチをオンにしていなければならないことを意味していた。
南野のパフォーマンスは、日本にとって最も取るに足らないものの1つだった。スペースを見つけ、適切なポジションを取る能力は印象的だが、ゴール前での冷静さについては改善する必要がある。ワールドカップ本大会での相手はオーストラリアのように寛容ではないだろう。
だが、やはり冷静な三笘ならそういった心配もないだろう。このヤングスターはすでに一流の選手だ。今後6か月間で森保監督がカタールで彼を先発させるほどに信頼するようになることを期待している。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。