日本代表、大一番へ「厳しいデータ」とは? 豪州記者、母国チームの強み指摘「世界的にも屈指」
日本が勝てばW杯出場決定も…オーストラリアは08年以来ホームでW杯予選負けなし
日本代表は3月下旬のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で、オーストラリア(24日/アウェー)、ベトナム(29日/ホーム)の2連戦を迎える。日本が勝利すれば7大会連続のW杯出場が決まるなか、日本在住の豪州人ジャーナリスト、スコット・マッキンタイヤー氏は、ホームで圧倒的な戦績を残すオーストラリアについて「世界的にも屈指の強さを誇る」と指摘している。
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日本はFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)やDF酒井宏樹(浦和レッズ)ら主力クラスが怪我で離脱した一方、オーストラリアもMFアーロン・ムーイ(上海海港)、MFジャクソン・アーヴァイン(ザンクト・パウリ)が新型コロナウイルス感染で選外。さらにMFトム・ロギッチ(セルティック)も負傷欠場と主力選手を欠いた状況で日本戦を迎える。
マッキンタイヤー氏は「オーストラリア代表は最終予選で相当力強いスタートダッシュに成功したが、最近では苦しんでいる。アーロン・ムーイ離脱の穴の大きさは問題で、監督のグラハム・アーノルドが2度目の新型コロナウイルス感染を余儀なくされたことは、まったくもっていい状況とは呼べない」と指摘。さらにアーノルド監督は自主隔離命令に外出し、罰金という騒動も起きるなど揺れている。
現在、日本が勝ち点18でグループ2位。オーストラリアは勝ち点15位の3位につけ、残り2試合は負けられない状況にある。追い込まれているものの、オーストラリアを後押しするデータもあるという。
「サッカールーズ(オーストラリア代表の愛称)のホームでの戦績は目を見張るほど素晴らしい。本拠地では世界的にも屈指の強さを誇る。アジア予選では2008年以降負けがない。消化試合以外の負けは1981年に遡る。これは対戦相手にとってはかなり厳しいデータと言えるだろう」
母国でも日本戦の注目度は高まっていると語るマッキンタイヤーは、「オーストラリアでも、日本との強烈なライバル関係は誰もが理解しているところ。さらに、最終予選突破に結果がほしい一戦という部分で、国中の注目レベルが一気に増すところでもある」と触れつつ、オーストラリアにとっても“負けられない一戦”と強調した。
「勝利に対するコーチングスタッフのプレッシャーは大きい。オーストラリアとすれば、10年、20年前の選手のクオリティーはないが、その代わりに、明るいオーストラリアサッカー界の未来を描けるような若くてエキサイティングな選手がいる。女子ワールドカップを開催するうえでも(23年7月、オーストラリアとニュージーランドで共同開催)、本大会にはぜひ出場しなければいけない事情もある。こういうプレッシャーのかかる状況で、オーストラリアは常に強さを示してきた。楽しみな一戦になりそうだ」
W杯アジア予選ホーム戦で08年以降負けなしというオーストラリア。日本はその牙城を崩し、カタール行きの切符を手にすることができるだろうか。
[プロフィール]
スコット・マッキンタイヤー(Scott McIntyre)/東京在住のオーストラリア人ジャーナリスト。15年以上にわたってアジアサッカー界に身を置き、ワールドカップ4大会、アジアカップ5大会を取材。50か国以上での取材経験を持ち、サッカー界のさまざまな事象に鋭く切り込む。
(スコット・マッキンタイヤー / Scott McIntyre)
スコット・マッキンタイヤー
東京在住のオーストラリア人ジャーナリスト。15年以上にわたってアジアサッカー界に身を置き、ワールドカップ4大会、アジアカップ5大会を取材。50カ国以上での取材経験を持ち、サッカー界の様々な事象に鋭く切り込む。