酒井宏樹を襲った「第5中足骨骨挫傷」はどんな怪我? 専門家が解説「完全骨折、ヒビに比べると最も軽い」
【専門家の目】右足第5中足骨骨挫傷の酒井、一般的には3~4週間後に実戦復帰へ
浦和レッズの日本代表DF酒井宏樹は右足第5中足骨骨挫傷により、カタール・ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選第9節オーストラリア戦(アウェー/3月24日)と第10節ベトナム戦(ホーム/同29日)に臨む日本代表から離脱した。森保ジャパンの右サイドバック不動のレギュラーが見舞われた右足甲の怪我は一体どんなものなのか。元日本代表MF中村俊輔(横浜FC)の個人トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が、そのメカニズムを解説してくれた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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3月19日のJ1リーグ第5節ジュビロ磐田戦(4-1)の前半から右足を痛そうな素振りを見せていた酒井選手。第5中足骨とは足の甲の部分の5つある骨の1つで、一番小指側の骨になります。
サッカーでは、競り合いで踏まれたり、強くぶつけた際に痛めるケースが多く、ジャンプの着地や切り返しの動作、サイドステップ、方向転換する際などに強く負荷がかかる箇所で、痛みを感じやすい部位でもあります。
「骨挫傷」は、外部からの衝撃が原因で骨内部に損傷をきたした状態を呼びます。骨の連続性が完全に断たれた状態を「完全骨折」、一部分連続性が断たれ、骨にひびが入った状態を「不全骨折」と言います。患部の状態が不全骨折までいかず、骨の内出血を起こしている状態が骨挫傷です。完全骨折、ヒビに比べると、最も怪我の程度が軽い事が多いですが、受傷直後は骨折との鑑別が難しいので、経過を観察する必要があります。
骨挫傷の場合、痛みが取れた段階で競技に復帰する場合が多いです。患部の状態にもよりますが、受傷後に3週間から4週間で試合に復帰できるケースが一般的です。順調に回復すれば、来月のリーグ戦での復帰が期待できます。
酒井選手の状態は心配ですが、しっかりと怪我を治して、ピッチ上でまた素晴らしいプレーを披露できる日が一刻も早く来ることを願っています。
[プロフィール]
新盛淳司(芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院院長)/柔道整復師、鍼灸師。新浦安しんもり整骨院入船院、新浦安しんもり整骨院今川院、クローバー鍼灸整骨院代表。柔道整復師、鍼灸師の資格を持ち、関節ニュートラル整体普及協会会員。サッカー元日本代表MF中村俊輔をセルティック時代から支える。関東リーグブリオベッカ浦安のチーフトレーナーも務めている。
(FOOTBALL ZONE編集部)