バルサが取り戻した“勝者のメンタリティー” クラシコで圧勝 「まるでメッシがいるかのよう」と現地記者も驚く復活劇のワケ
シャビ指揮下で困難な時期を脱し、十分な成果を上げているバルサ
日本を含む世界中のメディアに寄稿しているアルゼンチン人ジャーナリストのセルヒオ・レビンスキー氏もクラシコ取材後、バルセロナについて分析してくれた。
「今季前半戦は非常に悪い状態だったバルサだが、冬の移籍市場での補強が見事に的中したと思う。非常に明確な4-3-3に移行し、まるでメッシがいるかのようなプレーを再び披露している」と、母国の英雄の在籍時と遜色がないパフォーマンスを発揮できていると判断した。
続けて、「FW陣が決定力をさらに高められればバルサはもっとすごいチームになるだろうね。例えば今日、フェランは何度もゴールチャンスに失敗していた。まだ成熟しきっていないチームに少し足りていないのはその点だ。今日はオーバメヤンや(ウスマン・)デンベレが素晴らしかったので、フェランが精度をもっと上げられたら、バルサのゴールアベレージは凄いことになるだろう」とAS紙の記者同様、シャビ率いるチームに完成度を高められる余地があることを示唆した。
シャビがバルセロナ監督に就任してから4か月が経過した。ここまでの公式戦成績は25試合14勝7分4敗(リーガ16試合11勝4分1敗)。最後に敗れたのは1月20日にアウェーで行われた国王杯ラウンド16のアスレティック・ビルバオ戦(3-2)で、それ以降、現在に至るまで公式戦12試合連続で負けていない(9勝3分)。
今季はすでにCLという重要なタイトルを落としてはいるものの、シャビ指揮下でバルセロナは困難な時期を完全に脱しており、若手選手を積極的に重用し、今後につながる十分な成果を上げていると言っていいだろう。シーズン終了まであと2か月。復活を遂げたチームがどのような形で終えるのか、非常に楽しみである。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。