バルサが取り戻した“勝者のメンタリティー” クラシコで圧勝 「まるでメッシがいるかのよう」と現地記者も驚く復活劇のワケ
【スペイン発コラム】レアル本拠地でのクラシコで、バルサが4-0圧勝
2年ぶりに迎えたサンティアゴ・ベルナベウでのクラシコは、0-4とバルセロナがレアル・マドリードの勢いを止める圧勝となった。
ホームのレアルはリーガ4連勝、さらにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で強豪パリ・サンジェルマン(PSG)相手に大逆転劇を成し遂げ、勢いに乗ってクラシコに臨んだ。
かたや序盤の大失態を挽回すべく、昨年11月にシャビ・エルナンデスを監督に迎えたバルセロナは、今冬にDFダニエウ・アウベス、MFフェラン・トーレス、FWアダマ・トラオレ、FWピエール=エメリク・オーバメヤンを補強してチーム力を大幅にアップさせ、同じくリーガ4連勝ながら、ミッドウィークにUEFAヨーロッパリーグ(EL)を戦った疲れを残したままクラシコを迎えていた。
ベルナベウで開催されるクラシコは2020年3月1日以来、約2年ぶりとあって、バルセロナを迎え撃つレアルサポーターのボルテージはピークに達しているかと思われた。しかし、試合直前のサポーターたちの雰囲気は例年に比べ落ち着いているようだった。それはおそらく、両チームの間に勝ち点差が15あることが影響していたのであろう。準々決勝進出を決めたCLのPSG戦で感じられたような、ピリついた緊張感がこの日は感じられなかった。
好調同士の一戦は序盤、これぞクラシコと言わんばかりに両チームが互いにチャンスを作る一進一退の攻防戦になるも、リーガ得点ランキングトップのFWカリム・ベンゼマを欠いたレアルが徐々に苦しめられていく展開となった。
カルロ・アンチェロッティ監督が試合後、「(ルカ・)モドリッチを攻撃的MFで起用し、ボールをキープして後ろからうまく出て、(フェデリコ・)バルベルデ、ロドリゴ、ヴィニシウスとともにスペースを突いていく狙いがうまくいかなかった」と語った通り、モドリッチとバルベルデを前線に配置した4-2-4のゼロトップという今季初めて採用したレアルの奇策は早々に破綻する。バルセロナが時間の経過とともに主導権を握っていき、オーバメヤンとDFロナルド・アラウホのゴールにより前半を2点リードで折り返した。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。