磐田×浦和、大井のハンド→PKは妥当だった? 家本政明氏が解説「実は競技規則の文言が変わっている」

磐田DF大井健太郎【写真:Getty Images】
磐田DF大井健太郎【写真:Getty Images】

「ジャッジリプレイ」で大井のハンド判定は妥当だったと結論

 3月19日に行われたJ1リーグ第5節・浦和レッズ対ジュビロ磐田(4-1)では、前半35分にPK献上となった磐田DF大井健太郎のハンドシーンが話題を呼んだ。スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグ ジャッジリプレイ」でもこの事象について取り上げ、元国際主審の家本政明氏が解説している。

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 磐田が1-2とビハインドの状況で迎えた前半35分、ペナルティーエリア内のスルーパスに反応した浦和FWキャスパー・ユンカーがヒールパスで落としたところに中盤から攻撃参加したMF伊藤敦樹が飛び込む。これに磐田DF大井がスライディングで飛び込んだが、ボールが左手に当たってハンドと判定され、PKを献上する形となってしまった。

 大井の手は支え手でハンドではないのではないか、という声も上がっていたが、家本氏はまず、「実は競技規則の文言が変わっているのが浸透していません」と指摘した。

 2019-20、20-21シーズンの競技規則では、「次のようにボールが競技者の手や腕に振れた場合は、反則ではない。競技者が倒れ、身体を支えるための手や腕が身体と地面の間にある。ただし、身体から横または縦方向に伸ばされていない」(一部抜粋)と記されている。しかし、2021-22シーズンの競技規則では「競技者が次のことを行った場合、反則となる。手や腕で身体を不自然に大きくして、手や腕でボールに触れる。手や腕の位置が、その状況における競技者の身体の動きによるものではなく、また、競技者の身体の動きから正当ではないと判断された場合、競技者は不自然に身体を大きくしたとみなされる」(一部抜粋)と変わっている。

 これにより、「支え手かどうかは判断の指針にはならない」と家本氏は語る。

「タックルに行った支え手だけど、結果的に手が身体から大きく離れて流れていって、GKのセービングのような形になってしまった。大井選手にはまったくそういう意図はないけど、結果的にそういう身体の状況になってしまった。2019/20シーズンの競技規則に照らし合わせて見ても、これはハンドリング・オフェンスに値する行為になってしまった。21-22シーズンの競技規則で見ても、これは正当性がないように判断されてしまう。FKは仕方ない。そして、危険性はないのでイエローカードには値しない」

 また、家本氏は大井のハンドを取った中村太主審の位置取りに注目し、「中村さんはベストポジション」と称えていた。

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