浦和復調の兆し 今季初スタメン初得点のユンカーが存在感、指揮官も高評価「チャンスをたくさん作れた」
磐田戦45分プレーで1ゴールのユンカー、周囲の役割も明確に
浦和レッズは3月19日のJリーグ第5節、本拠地ジュビロ磐田戦で4-1の勝利を収め2勝目を挙げた。コンディションが整わず今季初スタメンのFWキャスパー・ユンカーが出場した前半に数多くのゴールチャンスを作り出し、改めてストライカーの存在感を見せた。
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ユンカーは昨季に浦和へ加入し、公式戦32試合16ゴールと得点力を発揮した。一方で、昨季の後半には負傷を繰り返し、グロインペイン症候群も抱えるなかで今季のプレシーズンは別メニュースタート。沖縄県トレーニングキャンプでも全体練習に入れず出遅れる形になった。リカルド・ロドリゲス監督もユンカーについてまだフル出場は難しく、「段階的に時間を増やしていきたい」と話していた。
そのユンカーは磐田戦で今季初スタメンのピッチに立つと、さっそく前半6分には右サイドから日本代表DF酒井宏樹が送ったクロスに鋭く飛び込んだ。これは決められなかったが、そのプレーで得たコーナーキックからDF犬飼智也が先制ゴールを奪った。
さらにユンカーは同11分、相手ボールをカットしたFW江坂任からのラストパスに飛び込むとシュートはGKに当たって跳ね返ったが、浮いたこぼれ球を冷静に処理してゴール内に押し込むストライカーらしさを見せ今季初ゴールをマークした。
その後も同22分にMF小泉佳穂のスルーパスに抜け出してGKとの1対1を迎えたが、これは決め切れず。そうした意味での試合勘不足は感じさせたが、同35分にはボールキープから攻撃参加したMF伊藤敦樹に出したパスからPKとなり、それをDFアレクサンダー・ショルツが決めて3点目。これまで得点力、決定力に苦しんできた浦和がウソのようにゴールラッシュ。ほかにもMF関根貴大に2回の決定機が訪れるなど、次々にゴール前を襲った。
ユンカーは計画的な起用と見られる形でハーフタイムに退いたが、ロドリゲス監督は試合後に「特に前半、ゴールも取れたし、入ってもおかしくないチャンスをたくさん作れた。この試合でやりたかったことをしっかり表現できた前半だった。キャスパーがいた時には、決めてもおかしくないチャンスがほかにもあった」と、その45分間について話した。
浦和の前線にユンカーが入るセットは、まずはユンカーがゴール前に入り込む動きを見せ、それに合わせて周囲の選手が逆の動きでスペースを使うなど選手たちの役割がハッキリして、シンプルに圧力を掛けられる傾向がある。一方で、ユンカーが抜けたセットでは攻撃の組み立ては多彩になる一方で、ゴール前に対する脅威を与え切れない場面も目に付く。
指揮官はユンカーについて「フィジカルの状態が良ければ、全試合90分使いたいくらいのポテンシャルを持っている」と話し、その得点力に期待を懸けている。今後、国際Aマッチ期間で約2週間の中断期間になる。この試合の後半でデビューした新戦力のMFダヴィド・モーベルグらも含め、ロドリゲス監督は「全体的には戦術のところが大事になってくるが、選手によってはフィジカルも上げ、さらにコンディションを上げなければいけない」と話している。
開幕から約1か月が過ぎ、少しずつ本領を発揮していきそうなストライカーとともに、浦和の攻撃力も復調しそうな気配を見せている。