日本は「大切な国」 元Jリーガーが感謝、「別人になったような気分」と回想する充実の3年間
【インタビュー#1】サロモンソンにとって3年間を過ごした日本は「とても大切な国」
元スウェーデン代表DFエミル・サロモンソンは2019年の来日から3年間をJリーグで過ごし、今季から古巣のIFKヨーテボリに復帰した。日本のファン・サポーターに愛され、惜しまれながらのスウェーデン帰国となったなか、決断の背景や尽きない日本への思いをオンライン取材で語ってくれた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史、翻訳=河合拓/全2回の1回目)
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サロモンソンはスウェーデンのエンゲルホルム、ハルムスタッズを経て、2011年に移籍した古豪IFKヨーテボリで右サイドバック(SB)のレギュラーとして活躍。スウェーデン代表にも招集され、2016年3月には世界的ストライカーとして名を馳せるFWズラタン・イブラヒモビッチ(ACミラン)とも共闘している。
2019年に初めてスウェーデン国外に飛び出し、サンフレッチェ広島でJ1リーグ戦19試合2得点を記録すると、翌20年シーズンは福岡へ期限付き移籍。上下動を繰り返し、全力で戻ってボールを奪うプレースタイルが、攻守連動のアグレッシブなサッカーとマッチし、J2リーグ最少失点(29)の守備を誇ったチームの中で39試合2得点の成績を残した。
完全移籍に切り替わった福岡2年目の昨季は第2節・清水エスパルス戦(2-2)で鮮やかな直接FK弾を突き刺すと、第4節・徳島ヴォルティス戦(2-1)では長距離を駆け抜けてカウンターのフィニッシャー役としてゴール。第19節・川崎フロンターレ戦(1-3)でも約25メートルの直接FK弾を決めるなど、リーグ戦32試合3得点と攻守で存在感を示し、クラブ史上J1最高位となる8位でシーズンをフィニッシュした。
昨年12月10日に古巣ヨーテボリへの完全移籍が決定。サロモンソンは後ろ髪を引かれる思いもありながら、3年間を過ごした日本をあとにしたと振り返る。
「日本は僕の心の中のとても大切な国になった。でも、スウェーデンに戻り、別のチームでプレーし、家族、そしてフィアンセ(婚約者)の近くで過ごす時が来たと感じたんだ」
帰国に際しては、日本語で「お別れを言う時がきました。心の底から皆さんに感謝を伝えたいと思います。この2年間、アビスパで皆さんが僕に見せてくれた愛とサポートは信じられないほど素晴らしいものでした。アビスパのためにプレーする事がとても大好きでしたし、これから先はアビスパの生涯サポーターとして皆さんと一緒にチームを応援します」とメッセージを綴り、大きな感動を呼んだ。直接ファン・サポーターに挨拶ができなかったことは、やはり心残りだったという。
「(昨年12月4日のJ1リーグ最終節)FC東京とのアウェーゲームが(アビスパ福岡での)最後のゲームだった。その試合前に移籍の決断をしたんだけど、プレーできなくて寂しかったし、試合後にとても感情的になっていて、泣いている姿を見た人がもしかしたらいたかもしれない。メッセージはファン・サポーターに直接伝わるように、日本語で出したかったんだ。それが日本のサポーターが使っている言語だからね。とてもエモーショナルだったけれど、すべての言葉が本心だし、思いは伝わってくれたと思うよ」