J1で開幕3戦先発の黄金ルーキーら期待の逸材がズラリ パリ五輪世代の注目選手10人を厳選
名古屋MF甲田は「ボールを持てば何かが起こる」変幻自在のドリブラー
<合宿メンバー>
■鈴木海音(栃木SC/DF)
今回のU-21日本代表は同僚のFW小堀空とともに追加招集だったが、合宿では練習からよく声を出して周囲とコミュニケーションを取ったり、大岩監督が提示する戦術ボードを真剣に見る表情が目に付いた。そして、トレーニングマッチでは17歳のチェイス・アンリとセンターバックの組み、的確なポジショニングでラインを統率。1対1の局面でも安定した守備を見せた。ジュビロ磐田のトップ昇格し、藤田とともに東京五輪のトレーニングパートナーにも参加。しかし、J2優勝を果たしたクラブでは出番がなく、今年はJ2の栃木に環境を変えた。そして開幕4試合でフル出場を果たしている。現在、パリ五輪世代のA代表の合宿にも呼ばれた西尾隆矢(C大阪)を除くと、ほぼ横一線。磐田の大器が栃木でさらなる成長を見せていくか。
■藤尾翔太(徳島ヴォルティス/FW)
合宿最終日のトレーニングマッチで2ゴールを決めて、非凡な得点感覚を見せつけた。クロスに合わせるのがうまく、こぼれ球を押し込む泥臭さもある。昨年はセレッソ大阪から期限付き移籍先のJ2水戸で8得点を決めたが、今シーズンは徳島でさらなる経験を積むことを決断した。「僕は背後に抜ける動きは持ってるんですけど、徳島みたいにボールを大事にして引き出すのは足りない。そういうチームに移籍して足りないところを僕の力にして行く」と語る藤尾のさらなる成長に期待だ。
■甲田英將(名古屋グランパス/MF)
ボールを持てば何かが起こるという変幻自在のドリブラー。サイドからの仕掛けはもちろん、インに流れても決定的な仕事ができる。「自分の武器はドリブル。そこは負けたら自分自身を失う、常にチャレンジし続けるつもりでやってます」と語る甲田だが、所属クラブでのライバルはA代表経験のあるMF相馬勇紀や外国籍FWマテウスといった選手たち。そういうライバルに打ち勝ち、「スタメンで出られたら存在意義を証明できる」とむしろ厳しい競争を歓迎する姿勢はまさに代表向きだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。