このままじゃ終われない―― J3宮崎加入の工藤壮人、3年ぶりの日本復帰で描く“逆襲のシナリオ”
新エース、若手のお手本役としてチームを先導
工藤にとっては、J3リーグは初めて経験するカテゴリーとなる。宮崎のチーム内には、午前の練習を終えて午後は仕事をする選手もおり、これまでのキャリアで見てきた環境とはまた異なる状況。それでも、ポジティブに身を投じることができたと語る。
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「サッカー選手である以上、上のカテゴリーでプレーしたという気持ちは絶対に持っていないといけません。でも、僕としては、J1でも、J2でも、J3でも、とにかく自分を必要としてもらったので、オファーをいただいた時にはJ3だからという偏見もなく、『ぜひプレーさせてください』と回答させていただきました。ありがたいことに、(大型補強をした)FC岐阜さんがいることで、J3も注目度が上がっています。J3に降格してしまった(ギラヴァンツ)北九州、愛媛(FC)が入って、ハードかつレベルの高い戦いになると思っています」
そのなかで、日本代表としてもプレーした工藤には、必然とお手本役、リーダー役が求められる。本人も、「僕もエリート街道をたどってきて今があるわけではないので、必死にもがいている選手たちにとっても、何かを与えられるんではないかという気持ちはあります」と考えを明かす。
「テゲバジャーロ宮崎には、良くも悪くも真面目な選手が多くて(笑)、まだ僕のところに積極的に話を聞きに来ることは少ないかもしれません。例えば、大卒1年目の選手はプロの世界で必死に過ごしていて、周囲とコミュニケーションを取るところを含めて、みんな余裕がないところもあります。そこは僕がくみ取って、自分のほうから話しかけて行っているつもりです。『プロになってOK』ではなく、そこからどうやって上に登っていくのか、選手1人1人が自覚をもっと表現してもいいと思います」
宮崎はJFL(日本フットボールリーグ)からJリーグに昇格した昨季、J3最多の16勝、44得点を挙げ、優勝したロアッソ熊本と勝ち点1差の3位という好成績を収めた。チームトップの10ゴールを記録したFW藤岡浩介(→FC岐阜)、2位の9ゴールと続いたFW梅田魁人(→水戸ホーリーホック)と得点源2人がチームを去り、工藤に対するゴールへの期待値は高い。
「昨季も在籍していた選手は、Jリーグ1年目で手探りなところがありながら、毎試合必死にこなして、それがいい方向にいって最終的に3位で終われたと言っていました。その結果を受けて、今年はテゲバジャーロ宮崎がしっかり認められてのJリーグ2年目になるので、そこに加入したことには少なからずプレッシャーを感じています。ベテランから1年目の若手までいろんな立ち場の選手がいるなかで、僕もそれなりに経験をしてきたので、態度・気持ちで示すのはもちろん大事ですけど、試合に出るからにはFWとしてゴールを取ることだけは絶対に見失っちゃいけないと思っています」