EURO出場国数が“再拡大”へ 24→32か国参加でレベルの低下懸念「大会を傷つけている」
2028年大会より現在の「24」から「32」まで参加国数が増加する見込み
欧州最強の国を決める欧州選手権(EURO)。2028年大会は英国とアイルランドでの開催が濃厚となり、参加国は現在の「24」から「32」まで増加する見込みだ。しかし、UEFA加盟国全体の半数以上が出場できるようになることで、大会のクオリティー低下が懸念されている。
EUROは4年に一度の開催。前回大会のEURO2020はコロナの影響で1年延期され、昨年夏に開催された。次回のEURO2024はドイツで行われる。
EUROは2012年大会まで出場国が16か国だったが、2018年大会でそれが24か国に拡大された。出場国の増加でより多くの国にチャンスが与えられることになった一方、大会での競争力や予選への注目度低下が懸念されてきた。
そうしたなかで英国(イングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランド)とアイルランドでの開催が濃厚となっている2028年大会では、出場国はワールドカップと同じ32か国まで再拡大される見込みとなっている。UEFA加盟協会は現在55協会だが、その過半数が本大会に出場することになる。懸念事項にさらなる拍車がかかることは間違いない。
これについて英国のプロサッカー選手協会のCEO、マヘタ・モランゴ氏は、EUROの質が損なわれると英紙「デイリー・メール」に語っている。
「これは大会のクオリティーを損なうだけだ。子どもたちが自分のアイドルの最高の姿を見ることができない。それが現実だ。短期的に見れば経済的な利益はあるだろうが、長期的に見れば大会を傷つけている」
2016年大会では初出場のウェールズがベスト4と躍進したように、これまで国際舞台とは縁のなかった国にもチャンスが与えられることはポジティブだ。しかし、大会自体のレベルが低下すれば本末転倒と言わざるを得ないだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部)