今季J1リーグで躍進を遂げ得る「ダークホース候補」 “ポジティブな戦いぶり”の3クラブを厳選

宇佐美に離脱が痛手のガンバは、若くてポテンシャルのあるタレント揃い

■ダークホース候補3 ガンバ大阪:8位/1勝1分1敗(4得点5失点)

 昨年は柏レイソルと同様に終盤まで残留争いを強いられた。今シーズンは片野坂知宏新監督の下でスタートしたなか、強敵との3連戦(第1節:鹿島アントラーズ/1-3、第2節:浦和レッズ/0-1、第3節:川崎フロンターレ/2-2)を1勝1分1敗で乗り切っただけでなく、試合内容も尻上がりに良くなっているのはポジティブに評価できる。

 ミスから最後の最後で勝利がこぼれてしまった川崎戦でも、粘り強く守ってカウンターを狙うだけでなく、意図したビルドアップから川崎ゴールに迫っていた。MF山本悠樹のゴールシーンも中と外を効果的に使った見事な形だった。MF齊藤未月の補強も今シーズンのヒットになりそう。

 ネックはFW宇佐美貴史の離脱で、心身ともにチームを引っ張るエースの不在が痛くないはずがない。ただ、大卒ルーキーFW山見大登を筆頭に、生え抜きのMF中村仁郎、FW坂本一彩など、若くてポテンシャルを感じさせるタレントは揃うだけに、ガンバの未来を背負って行く選手たちが台頭するチャンスと捉えることもできる。

 チームの伸びしろが大きく、現在より夏場、そしてシーズン終盤のほうが良いチームになっていそうだ。宇佐美はアキレス腱の断裂という重症で今シーズン中の復帰も定かではないが、焦らず治して完全復活してもらいたい。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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