「パリ五輪世代」U-21代表候補メンバー予想布陣 鈴木唯人、チェイス・アンリら期待の若手タレント集結

ボランチの田中&藤田は、ベースのセットになりうる2人

 GKは4人が選ばれており、現時点の序列は分からないが、東京五輪のメンバーでもあったGK鈴木彩艶(浦和レッズ)を第1守護神候補とした。ただ、4人の中に所属クラブの正GKはいない。J2に昇格した、いわてグルージャ盛岡のGK野澤大志ブランドンは第2節からベンチ外となっており、今回は体調の問題で外れた可能性がある。そのほか、ベンフィカBに所属するGK小久保玲央ブライアンも有力候補だ。

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 右サイドバックはDF成瀬竣平(名古屋グランパス)とDF半田陸(モンテディオ山形)がハイレベルなポジション争いを繰り広げそうだ。また今回は招集外だったが、J2首位の横浜FCで現在3バックの右を担うDF中村拓海も有力候補になる。

 左はJ2のV・ファーレン長崎で主力のDF加藤聖とDF大嶽拓馬(柏レイソル)が選ばれているが、今回は選外だったDF大畑歩夢(浦和レッズ)が筆頭か。さらに昨年のU-23日本代表に飛び級参加したDF中野伸哉(サガン鳥栖)、昨年長期の怪我を負ったDFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)も順調に回復すれば有力候補になってくる。

 センターバックは、怪我で招集辞退した西尾がフルメンバーでもレギュラー候補の筆頭。さらにアンダーカテゴリー代表の常連であるDF馬場晴也(東京ヴェルディ)、モンテディオ山形の主力を務める成長株のDF木村誠二、欧州クラブ加入が報じられるDFチェイス・アンリ(尚志高)らがポジションを争う。

 中盤は複数ポジションをこなす選手が多く、大岩監督もあまり固定的には考えていないかもしれない。そのなかで、あえてボランチとサイドハーフに分けたが、MF平岡大陽(湘南ベルマーレ)のように、所属クラブではインサイドハーフで起用されている選手もいる。そのため4-3-3を用いたとしてもフィットできる陣容だ。

 ボランチはこの世代のホットゾーンだが、今回のメンバーである田中と藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)はベースのセットになりうる2人だ。守備の強度が非常に高いコンビで、攻撃参加の推進力もある。MF山本理仁(東京ヴェルディ)は左利きで展開力が抜群。MF櫻井辰徳(徳島ヴォルティス)は長短のパスに加えて、ボールを前に運ぶ能力がある。

 もちろん怪我が無ければA代表経験もある松岡が筆頭株だ。ゲームコントロール力はこの世代で飛び抜けており、課題に挙げていた攻撃面でもクオリティーを高めている。招集外のメンバーではJ1昇格組の京都サンガF.C.で中軸を担うMF川﨑颯太も存在をアピールしている。

 さらに高卒ルーキーながら早くもFC東京の主力に定着したMF松木玖生、J1首位の横浜FMでリーグ戦デビューしたMF山根陸など、次のU-20ワールドカップも目指せる世代の選手たちがどこまで突き上げてくるか。また海外組ではスペインの名門レアル・マドリーと契約を更新したMF中井卓大もおり、ドバイカップに向けたメンバーに招集されるか注目される。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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