シティに完敗のユナイテッドへ非難轟々…闘将キーン氏「クラブで二度とプレーすべきではない」と苦言
マンチェスター・ダービーで1-4と敗戦、クラブOBが試合内容へ痛烈批判
今季2度目のマンチェスター・ダービーでも黒星を喫したマンチェスター・ユナイテッドの戦いぶりに、かつてのレジェンドたちが苦言を呈している。
宿敵マンチェスター・シティとの実力差は歴然だったと言っていいだろう。ベルギー代表MFケビン・デ・ブライネの開始5分での先制ゴールを皮切りに動き始めた試合は、両軍合わせて5得点が乱れ飛ぶ展開となったが、敵地に乗り込んだユナイテッドのゴールは同22分にMFジェイドン・サンチョが決めた1点のみ。デ・ブライネ、リヤド・マフレズにそれぞれ2得点を許し、“赤い悪魔”は1-4と完敗を喫した。昨シーズンはダービーで1勝1分と勝ち越したが、今季は昨年11月に行われた第11節(0-2)に続いて連敗となった。
シティが試合全体を通して約70%のボールボゼッションを握ったのは両者のスタイルからも想定内だったとはいえ、シュート数はシティの24本(枠内10本)に対し、ユナイテッドは5本。そのうち枠を捉えたシュートは得点となったサンチョのシュートも含めてわずか2本のみ。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの欠場がどれほど響いたかはわからないが、チャンスの数があまりにも少なかった。
低調なパフォーマンスで敗れたチームにレジェンドたちが厳しい言葉を投げかけている。元デンマーク代表GKピーター・シュマイケル氏は「BBCラジオ5ライブ」で「ラングニック(暫定監督)はハーフタイムに状況を変えるべきだった」と1点ビハインドで迎えた後半から何か対策を打つ必要があったと指摘したうえで、「多くの選手が実力不足、あるいは何も気にかけていなかったようだ。暫定監督ができることはあまりないということを意味していた。彼は(来季は)チームにいないことを知っている。それで何が変えられるんだ?」と選手たちのクオリティーや今季終了後の退任が決定しているラルフ・ラングニック暫定監督が指揮を執るチーム体制に苦言を呈した。
英衛星放送「スカイ・スポーツ」で解説を務める元アイルランド代表MFロイ・キーン氏も「ユナイテッドは諦めていた。ダービーではそれは許されない」と選手たちの姿勢に疑問をつけ、名門クラブの看板を背負うのにふさわしくない選手もいたと容赦のないコメントを残している。
「ミスは許せるが、ろくに守備にも戻らない、タックルをしないなんてことはあってはならない。マンチェスター・ユナイテッドで二度とプレーするべきではない選手たちがいた」
キーン氏はさらにシティとの実力者は明らかだとし、「この差を縮めるには長い道のりがある」とも語った。ユナイテッドは2012-13シーズンの優勝を最後にプレミアリーグのタイトルから8年遠ざかっている一方、シティはこの8年で4度のリーグ制覇を達成。今季も首位を走り、連覇に向けて快進撃を続けている。
大一番に敗れたユナイテッドは5位で、首位シティとの勝ち点差は「22」となった。4位アーセナルとの差は1ポイントだが、アーセナルは消化試合が3試合も少なく、今後さらに差が広がる可能性もある。トップ4からも陥落しそうな状況だが、ラングニック暫定監督の下で巻き返すことはできるだろうか。