「難しい相手によくやれた」 浦和ロドリゲス監督、リーグ戦5試合目での初白星に安堵「勝ち点3は価値がある」
江坂の先制ゴールに続き、試合終盤には馬渡が追加点を奪って勝利
浦和レッズは3月6日に行われたホームでのJ1リーグ第3節・湘南ベルマーレ戦で2-0と勝利。リーグ戦5試合目にして初勝利を手にしたリカルド・ロドリゲス監督は、「今、立たされている難しい状況で勝ち点3は価値がある」と話した。
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浦和は2月12日の富士フイルムスーパーカップで川崎フロンターレに2-0で勝利して公式戦をスタートしたが、その後に新型コロナウイルスに陽性反応を示した選手が5人出るなどアクシデントにも見舞われ、リーグ戦では4試合連続で勝利がない状態だった。
特に、多くのチャンスをゴールに結びつけられない決定力不足が課題に挙がっていたなかで前半16分、浦和は左サイドから相手を崩すとDF大畑歩夢のラストパスをFW江坂任が流し込んだ。
江坂は4試合とも決定機で決められない場面があっただけに、「自分にも責任を感じていた。結果が出て、自分のゴールで勝ててホッとしている。少しコースは甘かったけど、入ってくれと(思っていた)」と、今季のリーグ戦初ゴールに対しての思いを交えつつ振り返った。
その後、ゲームをコントロールしながら1-0のリードで迎えたラスト10分を切った頃、湘南は長身FWウェリントンを投入。ここで浦和は長身DF犬飼智也を投入して5バックにシフトするが、その決断についてロドリゲス監督は「非常に難しい決断だった」と語る。
「まだベンチにはキャスパー・ユンカーもいた。あの展開なら特徴を生かしたカウンターもあったかもしれない。ただ、ウェリントンが入ってきて狙いはクロスからだったと思うので、そこに対してどうするかの決断をした。簡単に上げられないように形を変えて同数になるようにした」
勝利のない4試合、必ず後半に失点して勝ち点を逃してきた。それだけにDF岩波拓也は「ハーフタイムに声をかけているなかで、守りに入ると追いつかれる、事故が起こると。ウェリントンが来てから勝負だと思っていた」と話した。そして、クロスの出どころと競るところを抑えた浦和はカウンターから2点目を奪った。FW明本考浩が前線でキープしたところ、途中出場のDF馬渡和彰がフォローアップして貴重な追加点を決めた。
ロドリゲス監督は5バックへの交代について「大事なのは、この決断が守備的なだけのものではないということ。例えばシャドーに小泉佳穂や大久保智明、真ん中にタメを作れる選手がいて、狙いはボールを握って守る時間を減らすこと。前線にもう一度、明本考浩を置いた。キープもプレスもできるので攻守両面を考えての決断だった」と、明本を一度サイドバック(SB)に下げてから再び前線に戻した狙いがピタリとハマったことを試合後に話した。
これで浦和はようやくリーグ戦の初勝利を挙げた。新型コロナウイルスの影響だけでなく負傷者もいて、この試合でもスタメン出場したMF平野佑一が前半30分過ぎに負傷交代と、楽ではない状況がある。それだけに指揮官は「難しい相手によくやれた。今、立たされている難しい状況で勝ち点3は価値がある」と、初勝利に安堵の表情を見せていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)