Jリーグでも導入チームが増加 押し寄せる“ポジショナルプレー”は一種の「カーナビ」
冷静に、理詰めのポジショナルプレー 現在最も浸透しているのは…
おそらく現在ポジショナルプレーが最も浸透しているのはスペインだろう。東京五輪でU-23日本代表と対戦した時のスペインも、じっくりじわじわと攻めていた。ポジショナルプレーの上手いチームのプレーぶりは静的だ。冷静に、理詰めに押してくる。日本も健闘したがマルコ・アセンシオの一発に沈められた。田中碧の「僕たちは1対1をしているけれども彼らはサッカーをしていた」というコメントが印象的な試合だった。
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ただ、そういうのが好きでない人もいる。全盛期のバルセロナを「好きではない」と言ったユルゲン・クロップ監督もその1人だ。群れがあるならむしろに突っ込みたいタイプ。
サッカーがイングランドで始まった時、すぐにスコットランドが対抗勢力となった。猪突猛進のイングランドに対して、スコティッシュ・パスゲームと呼ばれた冷静なスタイル。サッカーはずっと冷静と情熱のせめぎ合いの中にあるのかもしれない。
(西部謙司 / Kenji Nishibe)
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西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。