“日本のメッシ”久保建英をバルサに導いた男が明かす「世界のトップにたどり着ける選手の条件」とは

バルサのコーチが認めた久保君の3つ目の力

 三つ目に挙げたのは「自分が勝つまで絶対に止めないところ」だった。久保君がバルセロナにいたころ、スペインで売られていたサッカー選手のカードを集めていた。時々、浜田氏と久保君は「PK勝負で久保君が勝ったら、カードを買ってあげる」という遊びをしていた。ちょっとしたことでもあって、久保君の負けず嫌いさは「半端ではなかった」と浜田氏は振り返る。

「僕が勝っても絶対にそれで終わりとはならず、自分が勝つまで永遠にPKが続くんです(笑)。そのうち、こちらが根負けして負けるんですけど、そしたら買ってあげるカードの枚数が勝手に増えていたりするんです(笑)」

 バルサのカンテラ時代、久保君はコーチたちからこう言われていたという。

「タケ(久保君のニックネーム)はganadorのメンタリティーを持っている」

 ganadorとは、スペイン語で“勝者”という意味だ。久保君の勝つことへのこだわりはスペイン人も認めるほどだった。

 久保建英君はなぜ世界最高峰の育成組織「カンテラ」の一員となり、その中でも実力を認められたのか――。浜田氏が明かしたエピソードの中には、その答えが詰まっている。

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サッカー選手を目指す子供の親に贈る40のアドバイス』

浜田満(著)/徳間書店

FCバルセロナキャンプ&スクール、U—12ジュニアサッカーワールドチャレンジの仕掛け人であり、日本人初となる久保建英君のFCバルセロナの下部組織(カンテラ)入りをサポートした浜田満氏による、サッカー選手を目指す子供の親に向けたアドバイス集。好評発売中。

[PROFILE]

浜田満(はまだ・みつる)

1975年生まれ、奈良県出身。株式会社Amazing Sports Lab Japan代表取締役。関西外国語大学スペイン語学科卒業。自身も高校時代までサッカーに打ち込む。FCバルセロナキャンプ、FCバルセロナスクール、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジのプロデュース、コンサルティングなどを行う。また、2009年以降、久保建英君のサポート業務をはじめ、サッカーサービス社と指導者クリニック、選手コンサルティングを行なうなど、選手育成業務に力を入れている。

〈サッカーマガジンZONE 2016年8月号より一部加筆修正をして転載〉

【了】

北健一郎●文 text by Kenichiro Kita

ゲッティイメージズ●写真 photo by Gettyimages

 

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