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“日本のメッシ”久保建英をバルサに導いた男が明かす「世界のトップにたどり着ける選手の条件」とは
久保君について忘れられない3つのエピソード
浜田氏が続ける。
「確かに久保君は当時から素晴らしい才能を持っていましたが、今、思い返せば、まさにこのジョアン・ビラ氏のコメントは久保君にそのまま当てはまります」
久保君について、浜田氏には忘れられないエピソードが3つあるという。
一つ目はバルサキャンプのMVP特典で、FCバルセロナスクール選抜の一員としてベルギーで行われた国際大会に出場した時のことだ。
オランダのフェイエノールトとの試合で相手に押し込まれる展開になった。センターフォワードとして出場していた久保君にはコーチから「最大限に深みをつくれ。もっと高い位置をとれ。相手の最終ラインと同じ高さに残って下がってくるな」と指示が出ていた。
だが、久保君は中盤に下がってボールを受けようとした。試合後、浜田氏は「コーチが下がってくるなと言っていたのは聞こえていたの?」と質問した。久保君の答えは浜田氏の予想の上をいくものだった。
「コーチが言っていることは分かっていたけど、僕ら(8歳)のキック力だと高い位置にいてもボールが届かないから、意味がないと思って下がったんです」
浜田氏は「そのプレーが正解かどうかはさておき」と前置きした上で、「日本人は監督に言われたことに疑問を持たず、言われたことをそのままうのみにする傾向があります。監督の指示に対して、さらに自分の視点を加えた上で判断できる8歳の選手はいないでしょう」と脱帽する
二つ目はベルギーでの大会を終えて、スペイン・バルセロナに向かう機内でのこと。浜田氏は離陸後、久保君の隣で小説を読み始めた。すると、久保君が「浜田さん、本を見せてもらえますか?」と言ってきたのだ。
大人向けの小説だし、軽く読んで返してくるだろう…そう思って本を渡したところ、久保君は普通に読みながら、分からない単語があると、「空き巣ってどういう意味ですか?」と、一つひとつ聞いてきた。このようなエピソードは他にもたくさんあるという。
「久保君は言葉の意味だけではなく、分からないことがあると常に大人に質問する子でした。接していて、いつも感じるのですが、言語能力の高さをベースに持っている上に、物事を理解する力、さらに洞察力、そしてそれを行動に移す力がすごいと思います」