リバプール南野の2ゴール、元日本代表が“プラス効果”指摘 「さらに評価が上がった」
【栗原勇蔵の目】簡単そうに見えて、トラップを成功させた時点で勝負あり
イングランド1部リバプールの日本代表MF南野拓実は、3月2日に行われたFAカップ5回戦ノリッジ・シティ戦(2-1)でチームの全2得点を挙げた。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、両ゴールともシュート前のトラップの賜物だと称えている。
今季まだリーグ戦で先発起用のない南野は、FAカップのノリッジ戦で右ウイングとしてスタメン出場。前半27分、左サイドからの折り返しをベルギー代表FWディボック・オリギが受けて、右サイドに展開。そこで待ち構えていた南野が右足で冷静に先制ゴールを決める。
さらに前半39分には、左コーナーキック(CK)を相手DFベン・ギブソンがヘッドでクリアしたボールをペナルティーエリア内で拾った南野は、豪快な右足シュートをゴールに突き刺し、リードを2点に広げた。
栗原氏は1点目、2点目ともに“トラップで勝負あり”と説明する。
「1点目は簡単そうに見えてトラップが少しでもズレたら、(前のベン・ギブソンと背後のミロト・ラシカに)寄せられていたので、トラップでしっかり収めてからシュートへの流れが素晴らしかったですね。2点目も右足インサイドで落として、(シュートに)思い切りがありました。チームがその後失点して、試合としては接戦となったことで、さらに評価が上がったような気がします」
データ分析会社「オプタ」によれば、2020年1月のリバプール加入以降、南野はFAカップとリーグカップの計14試合でシュート29本を放ち、うち枠内9本をすべて決めて9得点と、枠内シュート決定率は驚異の「100%」。ゴール前での落ち着きは、南野がイングランドで生き残る重要なファクターとなっている。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。