Jリーグ「序盤から輝くヤングタレント10傑」 今最もノリに乗るFWら“日本代表予備軍”がずらり
柏を牽引する細谷真大は早くも1ゴール、西久保駿介はJ2での成長に期待
■細谷真大/パリ五輪世代
ポジション:FW
年齢:20歳
所属クラブ:柏レイソル
今季成績:2試合1ゴール(J1)
昨年は前線の主力として残留に貢献したが、今シーズンは完全なレギュラーとして、FWドウグラスとともに柏の躍進を牽引している。第一に前からの守備が素晴らしく、横浜F・マリノスとの試合でも相手のミスを誘ったところからゴールを決めた。非凡な個人技を持ちながら、独りよがりになることなく、周りを使って最後は自分がフィニッシュに関わるというのが細谷のスタイル。柏にとって戦術的にも欠かせない存在だが、ストライカーとしてさらなる成長ができれば、パリ五輪やA代表も見えてくる。
■北野颯太/パリ五輪世代
ポジション:FW
年齢:17歳
所属クラブ:セレッソ大阪
今季成績:2試合0ゴール(J1)
二種登録ながら横浜FMとの開幕戦で後半35分から、京都戦では後半12分から投入されると4本のシュートを記録。後半アディショナルタイムには鮮やかな抜け出しから京都GK上福元直人と1対1になったが、惜しくビッグセーブに阻まれ、勝利のヒーローになり損ねた。それでも早くもインパクトをもたらしており、このまま積極性を失わずフィニッシュに関わっていければゴールは時間の問題だろう。パリ五輪世代では一番下の年代となる2004年生まれだが、十分に狙っていけるタレントだ。
■西久保駿介/パリ五輪世代
ポジション:DF
年齢:18歳
所属クラブ:ジェフユナイテッド市原・千葉
今季成績:1試合0ゴール(J2)
FC琉球戦は1点リードして迎えた後半から右ウイングバックに投入されて、攻守両面で印象的なプレーを見せた。アタッカーの行手を阻むだけでなく、精力的にボールを奪いに行く守備が目を見張り、攻撃では自陣から前線のFWサウダーニャにグラウンダーの縦パスを通すなど、堂々としたプレーは伸びしろの大きさを感じさせる。サウダーニャによる追加点も右側で西久保のプレスが効いたボール奪取が起点になった。三菱養和SCからの加入した高卒ルーキーで、相馬勇紀(名古屋グランパス)などの後輩にあたる。まだ線は細いが、J2の長いシーズンを戦いながらたくましく成長していきそうだ。
■沼田駿也/大卒ルーキー(関西大)
ポジション:FW
年齢:22歳
所属クラブ:レノファ山口FC
今季成績:2試合1ゴール(J2)
関西大学リーグの得点王は左ウイングから積極的にゴールを目指しながら、機敏な動きを生かすチャンスメイクでもスペシャルな輝きを放っている。鋭いカットインからのシュートを得意とするが、秋田戦ではCKのこぼれ球を押し込む形でプロ初ゴール。同じ試合で40歳のMF山瀬功治が 23年連続ゴールを決めると、尊敬の気持ちを表した。「苦しい時間帯で得点を取って勝たせる選手に」と語る沼田。開幕前の下馬評は高くなかった山口だが目標はJ1昇格だ。そのためにも、沼田がさらに重要な存在になっていけるか。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。