Jリーグ「序盤から輝くヤングタレント10傑」 今最もノリに乗るFWら“日本代表予備軍”がずらり

(左から)川崎DF佐々木旭、清水FW鈴木唯人、京都MF川﨑颯太【写真:小林 靖 & Getty Images】
(左から)川崎DF佐々木旭、清水FW鈴木唯人、京都MF川﨑颯太【写真:小林 靖 & Getty Images】

【識者コラム】開幕2試合2ゴールの鈴木唯人、カタールW杯に向けた代表招集も視野

 JリーグはJ1とJ2が第2節を終えた。ここまでリーグ戦で輝を放つパリ五輪世代の若手に大卒ルーキーを加える形で、10人のヤングタレントをピックアップした。

■鈴木唯人/パリ五輪世代
ポジション:FW
年齢:20歳
所属クラブ:清水エスパルス
今季成績:2試合2ゴール(J1)

 2試合で2ゴールという結果もさることながら、それぞれがゴラッソであり、今最もノリに乗っている若手選手の1人だ。もともと推進力のあるドリブルやシュート力は披露していたが、惜しくも枠を外れてしまうシーンが多く、結果に結び付いていなかった。それが迷いないフィニッシュでゴールに向かう鋭さが増した。日本代表の森保一監督も称賛しており、この活躍が続けばカタール・ワールドカップ(W杯)に向けた本格的な代表招集も視野に入ってくる。

■川﨑颯太/パリ五輪世代
ポジション:MF
年齢:20歳
所属クラブ:京都サンガF.C.
今季成績:2試合0ゴール(J1)

 京都のアカデミー出身でJ1初挑戦となるが、昇格シーズンのチームを中盤の底から支えながら、機を見て相手陣内で攻撃に関わるプレーも効果をもたらしている。曺貴裁監督は4-3-3のアンカーを“ホールディングセブン”と呼んでおり、センターバック(CB)と自分以外のフィールド7人を掌握する意味を持つ。固定的にバランスを取るよりも、かなり広範囲に動きながら周囲の選手とビジョンを共有し、まさしく前線、中盤、サイドとダイナミックな攻守の流れをコントロールしている。

■佐々木旭/大卒ルーキー(流通経済大)
ポジション:DF
年齢:22歳
所属クラブ:川崎フロンターレ
今季成績:2試合1ゴール(J1)

 第2節の鹿島戦(2-0)でスタメン起用されると、コーナーキック(CK)の流れで左足の豪快なシュートを決めて話題に。そのほかにも前線の左に入ったFW小林悠と上手く連動しながら、高い位置でチャンスに絡む一方で、守備では鹿島FW鈴木優磨とのデュエルでも負けない強さを示した。後半途中には両足をつって交代を余儀なくされたが、その思い切りの良さを日本代表の森保監督も高く評価する。左サイドバック(SB)は日本代表でも層が薄いと言われるだけに、若い頃の長友佑都(FC東京)のような早期デビューも夢ではない。その意味でも、まずは90分走り抜ける姿を見せてほしい。

■藤原悠汰/大卒ルーキー(明治大)
ポジション:FW
年齢:22歳
所属クラブ:サガン鳥栖
今季成績:2試合1ゴール(J1)

 アカデミー時代を過ごしたサンフレッチェ広島との開幕戦では、後半アディショナルタイムからの出場だった。ルヴァンカップの北海道コンサドーレ札幌戦で殊勲の同点弾を決めると、川井健太監督は湘南ベルマーレ戦にスタメン起用。その期待に応える形で、MF堀米勇輝のクロスに合わせる形でゴールを決めた。小柄だが活動量が多く、3-4-2-1の最前線で前からの守備、裏抜け、起点のポストプレーなど幅広い働きが目に付く。それでも専売特許はやはり鋭い動き出しから点で合わせるフィニッシュだ。鳥栖の最大のテーマはFWの決定力になってきそうだが、FW宮代大聖が怪我で出遅れるなど、苦しい状況が藤原には逆に飛躍のチャンスになるかもしれない。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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