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「爆発音聞こえた」 伊監督、戦火ウクライナで壮絶体験 帰国後に告白「醜いものを見てきた」
強豪シャフタール・ドネツクの伊監督デ・ツェルビ氏、母国メディアに語った経験談
ウクライナの強豪シャフタール・ドネツクのイタリア人監督、ロベルト・デ・ツェルビ氏がロシアにより侵攻を受けたウクライナからの帰国を果たし、地元メディアに壮絶な体験談を語っている。イタリア紙「コリエレ・デラ・セーラ」、サッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」などが報じている。
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現役時代、名門ACミランの下部組織で育ち、キャリアのなかではイタリアの地方クラブやベルギーでプレーした後に指導者へ転身したデ・ツェルビ氏は、サッスオーロなどイタリア数クラブの監督を歴任して今シーズンからシャフタール・ドネツクを率いている。リーグ戦では18試合を終えて15勝2分1敗と好チームに仕上げていた。
そのデ・ツェルビ氏は、戦火による被害が心配されるなかでコーチングスタッフとともに現地時間2月28日にイタリアへの帰国を果たした。その経験について、現地メディアに語っている。
「家に帰れて幸せだし、落ち着いている。選手たちは全員無事だ。とても醜いものを見てきた。これから3、4日かけて、今まで経験したことをすべて吐き出さなければ。私はずっとホテルにいたが、爆弾の音は聞こえた。
列車で出発し、次はバスで移動し、国境を越えてブダペスト空港(ハンガリー)に行き、シャフタールが用意した飛行機で移動した。UEFAの会長であるアレクサンデル・チェフェリン氏のおかげで、この旅は実現した。イタリア大使館はアドバイス以上のことはできなかったが、チェフェリン氏が決定的な存在だった。ガブリエレ・グラヴィナ(イタリアサッカー連盟会長)も大きな手腕を発揮してくれた」
デ・ツェルビ氏は「眠れないので、24時間がとてもゆっくりと過ぎていった」と話し、外の様子が分かるようにという理由からホテルでは客室で過ごし、必要な時には防空壕へと移動したという。そのうえで、ウクライナの人々がどう過ごしているのかという問いかけには、リアルな現実を語っている。
「キエフでは、彼らは自由を守っているので、戦う準備ができているし、自由を守る人の強さがある。私が見たところ、彼らは領土への愛着、誇りを持っている。彼らは本当にタフだが、いつまで続くかは誰にも分からない。ボクシングのチャンピオンが戦い始め、小さな娘を連れた若い倉庫労働者は、戦うためにライフルを手に取った。彼らは誇り高く、寛大な人々だ」
先日にはボクシング元3団体統一王者のワシル・ロマチェンコ氏がウクライナ軍に入隊を報告し、世界ヘビー級3団体統一王者であるオレクサンドル・ウシク氏も領土防衛に参加したと報じられた。そうした著名人だけでなく、武器を手に戦いに赴く人々の存在を目の当たりにしてきたという。
メディアの撮影にはウクライナ国旗を手にした姿で登場しているデ・ツェルビ氏は、無事に母国に戻ると「私は、ウクライナの人々の団結力に心を打たれた。彼らは、西洋全体に誇りと尊厳を教えてくれている。今、私たちは平和を願っている」と話していた。
(FOOTBALL ZONE編集部)