中国現役選手が考える母国サッカーの課題 2つの「欠かせない」改善ポイントとは?
欧州でプレーする有力選手はFWウー・レイのみ
今回の中国代表では欧州でプレーする選手がFW武磊(ウー・レイ)1人しかおらず、この状況は中国国内でも多く取り上げられました。そして外国人助っ人への依存問題。現在、日本人の選手が中国リーグでプレーできていない理由に絡め、ナツ選手はこう続けます。
「中国リーグのチームが外国人助っ人に期待しているのは、1人でもゴールを奪える突破力や馬力です。ほかの選手と調和してということより、個人力が求められます。日本人選手はユニットでプレーしてこそ価値を発揮する。このような印象を中国サッカー関係者は持っていますので、なかなか獲得に動かないのだと思います。
逆に言うと、これから中国の自国選手で外国人助っ人に負けない馬力や突破力がある選手さえ出てくれば、中国代表は強くなると思います。各チームが外国人選手にいい意味で頼りすぎないサッカーをすることが、中国代表の発展にもつながっていきます。僕も頑張ります」
外国人助っ人から学び、自国の選手達が成長していく。かつての元ブラジル代表MFジーコ氏や元ユーゴスラビア代表MFドラガン・ストイコビッチ氏、現在では元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ選手(ヴィッセル神戸)など、Jリーグも数多くの外国人選手とともに発展し、それが日本代表強化につながってきました。
本場欧州へ数多くの選手が挑戦すること、そして有名選手の爆買いが終了した今の中国サッカーだからこそ、今後中国リーグに来る外国人助っ人、そしてその選手達とどう発展していくかが中国代表強化のキーポイントになってくるのかもしれません。
(久保田嶺 / Rei Kubota)
久保田嶺
1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日系企業の中国インバウンド事業やマーケティング、中国サッカー選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人としても活躍。日本へ中国サッカー情報を発信する。