アーセナル冨安がふくらはぎ負傷で再離脱 元日本代表DFが影響を懸念「選手生命を脅かすと言う人もいるくらい厄介」
【栗原勇蔵の目】東京五輪からの疲労蓄積と筋肉損傷による“負のサイクル”には要注意
イングランド1部アーセナルの日本代表DF冨安健洋は、現地時間2月24日に開催された第20節延期分のウォルバーハンプトン戦(2-1)を欠場した。左ふくらはぎの負傷によりベンチ外となったが、ふくらはぎの怪我が続いており、元日本代表DF栗原勇蔵氏もその影響を懸念している。
冨安は1月20日に行われたリバプールとのカラバオカップ準決勝第2戦(0-2)で、負傷から復帰してフル出場したものの、その試合で再び右ふくらはぎを痛めて戦線離脱を余儀なくされた。
2月19日のプレミアリーグ第26節ブレントフォード戦(2-1)は出場機会こそなかったものの、ベンチ入りして復帰が近づいていると思われたが、24日のウォルバーハンプトン戦を欠場。ミケル・アルテタ監督は試合後、「彼(冨安)はトレーニング中に逆側のふくらはぎに違和感を覚えた。ここ数か月は出場できる状態にない」と冨安の状態について語った。
昨夏の加入から安定してパフォーマンスで名門アーセナルのキーパーソンとなった冨安だが、2022年に入ってからは日本代表の招集も見送られるなど、コンディション面で苦しんでいる。元日本代表DF栗原氏は、サイドバック(SB)というポジション的にも、ふくらはぎの故障は不安要素だと見解を述べる。
「昨夏の東京オリンピックからの疲労蓄積は否めないですね。僕は現役時代、ハムストリングの肉離れを計15回経験しました。肉離れは止まらなくなって、負のサイクルに陥る可能性がある。特に、ふくらはぎの損傷は、選手生命を脅かすと言う人もいるくらい厄介です。冨安の怪我の具合は明かされていませんが、ふくらはぎを痛めていると全力ダッシュができなくなるし、特にSBはスプリントができないと戦えない。冨安はもう十分過ぎるほど力は示してきたので、焦らずやって欲しいところです」
プレミアリーグ移籍後、1対1のディフェンスや空中戦で強さを発揮してきた冨安。イタリア1部ボローニャ所属時代にも左ふくらはぎの負傷による離脱歴があるだけに、まずは怪我を完治させて、再び全力プレーを披露したいところだ。
[プロフィール]
栗原勇蔵(くりはら・ゆうぞう)/1983年9月18日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。
(FOOTBALL ZONE編集部)