「日本最高の頭脳×体幹トレ」 中井卓大ら師事する名トレーナーが東大サッカー部と取り組む新たな挑戦とは?

体幹トレーニングの第一人者、木場克己氏【写真:FOOTBALL ZONE】
体幹トレーニングの第一人者、木場克己氏【写真:FOOTBALL ZONE】

体幹トレーニングの第一人者である木場克己氏は東大ア式蹴球部の特別指導2年目へ

 スペイン1部レアル・マドリードと新たに2年契約を結んだ18歳のMF中井卓大は、幼少時から体幹トレーニングの第一人者として知られ、「KOBA式体幹バランストレーニング」を主宰する木場克己氏に師事していることでも有名だ。マジョルカの日本代表MF久保建英や、北京五輪女子スノーボード・ビッグエアの岩渕麗楽らトップアスリートの専属トレーナーを務める木場氏は、東京都リーグ2部を戦う東京大学運動会ア式蹴球部(体育会サッカー部)のフィジカル強化を担当するスペシャルアドバイザーとして2年目を迎えた。

「昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、学生に直接指導できる機会が残念ながら少なかった。それでも、そこは東大。真面目で、吸収力と学ぼうとする姿勢が凄い。1年目は体幹の土台作り。今年はよりフィールドで生かせる身体に仕上げていきたい」

 世界基準のアスリートを育成してきたトップトレーナーが、日本最高の頭脳として知られる東大生の肉体改造の2年目に挑むことになった。2月8日、東大の農学部グラウンドに登場した木場氏はゴムチューブを用いたトレーニングを指導した。

「ジャンプ力を高めるメニューを教えてください」

 トレーニング終了後にさまざまな部員から直接アドバイスを求められるなど、夜のグラウンドに熱気がこもっていた。トップアスリートや各年代のエリートを指導する木場氏だが、東大サッカー部での指導は違った形の挑戦になる。

「KOBA式体幹トレーニング」を主宰している【写真:FOOTBALL ZONE】
「KOBA式体幹トレーニング」を主宰している【写真:FOOTBALL ZONE】

「プロや世界を目指すアスリートを普段指導していますが、彼らはプロを目指す選手ではない。ビジネスや研究のフィールドでトップを目指すような人材だと思います。トップアスリートのようなフィジカル面の能力がなくても、トレーニングを突き詰めて、理解度を深めている。体幹トレーニングを続けることで生まれる変化を、頭で理解できる集団だと思っています。正直、同世代のアスリートとは質問のクオリティーがまったく違う。より積極的で、深く理解しようとする。日本最高の頭脳で、トレーニングの成果をフィールドにしっかり落とし込んでもらいたい」

 3月19日に福岡・博多市内で小中学生向けのトレーニングイベント「スーパーアスリート塾」を予定するなど、若きタレントの指導に多忙な木場氏はこのように語った。

 柏レイソルや東京ヴェルディなどで活躍した東大サッカー部の林陵平監督は、現役時代に木場氏のトレーニングを受けてきた。木場氏のトレーニングを引退後も続けている林氏も「部員たちには最高の刺激」と期待を高めている。

 世界基準のトレーナーが日本最高峰の頭脳派集団をどう鍛え上げていくのか。今季の東大サッカー部の1部復帰への戦いに注目が集まる。

[プロフィール]
木場克己(こば・かつみ)
KOBA式体幹バランストレーニング協会代表。都内でトレーニングジム「COREトレSTUDIO」運営。鍼灸師、柔道整復師。FC東京ヘッドトレーナー(95~02年)を経て独立。久保建英、中井卓大らの専属トレーナー。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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