チェルシーFWルカク、“プレミア最少”のボールタッチ7回にトゥヘル監督も深刻 「冗談を飛ばす時でもない」
90分間フル出場したクリスタル・パレス戦でボールタッチわずか7回
イングランド1部チェルシーは、昨夏の移籍市場でイタリア1部インテルから移籍金9750万ポンド(約152億円)でベルギー代表FWロメル・ルカクを獲得した。これまで数々の世界的な選手を獲得してきたチェルシーにとっても、クラブ史上最高額を更新する投資だったが、ルカクは期待に見合う活躍をできているとは言い難い。プレミアリーグ第26節クリスタル・パレス戦(1-0)でフル出場したにもかかわらず、わずか7回のボールタッチに終わったストライカーについて、トーマス・トゥヘル監督がコメントした。英衛星放送「BBC」が報じている。
今年2月に開催されたFIFAクラブワールドカップ(W杯)でルカクは、準決勝と決勝の2試合連続でゴールを挙げてクラブ初の世界制覇に貢献した。しかし、プレミアリーグでは12試合に出場して5得点にとどまっており、2022年に入ってから出場したリーグ戦4試合では得点を挙げられていない。
そして、クリスタル・パレス戦にフル出場したルカクは、2003年にリーグが記録をつけ始めてから、最も少ない7回というボールタッチ数で試合を終えた。
トゥヘル監督は、「彼は注目を集めることになったが、私たちは彼を守る。ロメルは常に私たちにとって解決策の1つなんだ」と言い、「ストライカーは自信が持てずに、良い守備をしてくる相手に対してスペースを見つけられない時に、こういったことに陥る。もちろん、私たちは、それを望んでいないし、ロメルも望んでいない。だが、笑い飛ばす時でも、彼に冗談を飛ばす時でもない」と、修正が必要であることを認めた。
チェルシーでは、これまでにも元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス、元ウクライナ代表FWアンドレイ・シェフチェンコら、世界的なストライカーが苦しんだことがある。トゥヘル監督も、「チェルシーにはストライカーが苦しんだ歴史があり、ストライカーにとって世界で最も活躍が簡単な職場ではないだろう。私の考えでは、チェルシーは強い守備、フィジカルのチームであり、競争力の高い試合に一定の姿勢で臨んでいる。私たちはストライカーに、多くの守備面での役割を求めている」と、説明している。
解説者たちからは、ルカク自身の自信の欠如やチームメイトたちからのサポート不足を指摘する声が挙がるなど、チーム全体の不協和音につながりかねない状況だ。クラブを欧州王者、世界王者に導いたドイツ人監督は、この苦境をどのように乗り切るだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)