ゴールデンルーキー松木玖生、元日本代表DFが「思っていた以上のレベル」と語った能力は?
【栗原勇蔵の目】デュエルで対等の戦い。フィジカルはプロでも十分に通用する
FC東京の高卒ルーキーであるMF松木玖生は、2月18日に行われた開幕節・川崎フロンターレ戦(0-1)でいきなり先発に名を連ね、後半途中に交代するまで堂々たる働きぶりを見せた。強心臓の18歳はどのように映ったのか、元日本代表DF栗原勇蔵氏に訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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昨季王者・川崎との多摩川クラシコという注目カードで、今春に青森山田高校を卒業する松木はスタメンに抜擢。4-3-3の右インサイドハーフに入ると、ポゼッションスタイルのチーム戦術へ難なくフィットし、正確なパスでチャンスに絡んでみせた。
前半23分、FW永井謙佑から横パスを受け、松木がダイレクトでスルーパスを出してチャンスメイク。永井が右サイドへ展開し、FWレアンドロがシュートを放つシーンの起点となった。
さらに、前半28分には永井の左クロスへ味方が反応し、中央へこぼれたボールに対し左足を一閃。ゴールへ一直線に飛んだシュートはGKチョン・ソンリョンの正面をつく格好となったが、強烈シュートで会場を沸かせた。ほかにも、川崎DF登里享平と球際で激しくやり合うなど、そのプレーの印象は強く残ったと栗原氏は話す。
「前半20分過ぎまでは完全にフロンターレペース。そこをしのいでFC東京ペースになった時に、攻撃の起点になったり、ゴール前にも顔を出して、守備に関しても右サイドバック(SB)のDF渡邊凌磨が前に出たところのカバーを気を利かせてやっていました。バランスを取りつつ、デュエルで全然渡り合えていた。高校レベルから日本の優勝チーム(川崎)相手にあれができる。まだ1試合とはいえ、ひいき目抜きにしても素晴らしい内容だったと思います」
プロデビュー戦で72分間プレーし、走行距離9.023km、スプリントはチーム4位の21回をマーク。とりわけ、「フィジカルの強さはプロの世界に入っても思っていた以上のレベルでした」と栗原氏は松木の強みに触れている。