札幌移籍の興梠慎三、恩師ミシャとの二人三脚で目指す2022年シーズンの“復活”

ミシャ・サッカーの1トップでは「2桁ゴール」はノルマ

 まさしくミシャ・サッカーの1トップに必要な条件を全て兼ね備えていると言える。実際に、12年から20年まで9シーズン連続でJ1での2桁ゴールをマークしたが、そのうち13年から17年途中までがペトロヴィッチ監督の指揮下だった。興梠自身も開幕を前にしたオンライン会見で「ミシャ・サッカーの1トップを張っていれば、2桁ゴールは取らないといけない」と話す。

 それだけに、本領を発揮できるコンディションにあるかどうかだけが焦点。自身が「現状では50%くらいだと思う。それは怪我の問題もありますが、自分自身シーズンを重ねるごとにスロースターターという感じにもなってきています」と話しているだけに、地域性と気候の問題から開幕当初にアウェーゲームが続く札幌が、ホームに戻る頃には状態を上げてくるのではないだろうか。

 人懐っこさを感じさせる場面もあり、相手のマークを外すのと同様に報道陣のマークを外すのも上手なタイプだが、取材が始まれば丁寧に応対し、タイトルを何度も獲得してきた選手らしい重みのある言葉を残す。チーム内では中心になるというよりもその少し外側からサポートするようなところを見せる。

 すでに絶大な信頼を持つ指揮官の下で、最も得意な戦術やシステムの中でプレーするだけに、その条件はすべて整っている。35歳で迎えるシーズンが復活を印象づけられるものになるのかどうか、札幌の「23番」に注目だ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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